2016年ラタキア攻勢

ヤルムークの戦い（2016年ラタキア攻勢）

この戦闘は、2016年6月下旬にシリアのラタキア県北部で始まりました。反政府勢力は、前の年に行われたシリア政府軍の攻勢によって失った土地を取り戻すことを目的として活動していました。戦闘は、アル＝ヌスラ戦線が主導し、ファトフ軍と連携して進められました。

攻撃の開始と初期の成功

6月の終わり、FSA（自由シリア軍）グループによる支援の元、攻撃が開始されました。主にトルクメン山地やクルド山地で数村を占領するなど、反政府勢力は初期の成功を収めました。その後もロシアの空爆が施される中、反政府勢力はキンサバ及びその周辺の11の村、丘を制圧しました。

7月2日には、トルクメン山のJabal Qalat'が占領され、さらにサラフの村にも攻撃が加えられましたが、シリア政府軍が介入し、再度取り返される展開もありました。ここで、共和国防衛隊の援軍が到着し、陸軍は密かに準備を整えていたことが明らかになっています。

政府軍の反撃と激しい戦闘

7月5日にはアリー・アブドゥッラー・アイユーブ中将が前線を視察し、夜間には激しい衝突が続きました。その中で、政府側はアル＝ヌスラ戦線の攻撃を撃退し、シリア陸軍第144連隊が展開され、反政府勢力に対応し始めました。政府軍は7月8日に本格的な反撃を開始し、数ヶ所の村を奪還しました。

しかし、ファトフ軍は反撃を続け、7月13〜14日にはアル＝ヌスラ戦線が村の南にある丘を占拠するなど、戦闘は泥沼化しました。7月16日には政府軍がキンサバを再奪取し、戦闘は激しさを増していきました。

交互の支配権

キンサバ周辺では、反政府勢力と政府軍との間で支配権が交互に移行しました。7月19日にはアル＝ヌスラの自爆テロが発生し、政府軍がキンサバからの撤退を余儀なくされました。そのため、戦闘は一時的に反政府勢力に有利に進展しました。7月20日においては、反政府勢力による攻撃が続きましたが、政府軍も負けじと新たな計画を練って反撃を始めました。

不安定な状況と続く戦闘

7月28日には反政府勢力によってズワイカト山脈を占拠する攻撃が開始されました。この激闘の中、再編成した政府軍が反撃を試み、キンサバを奪還するために再度の攻勢を実施しました。しかし、攻撃は容易とは言えず、長引く戦闘が続きました。8月の初めに再度の反撃が行われ、政府軍は周囲の丘を占領し、ついには反政府勢力の撤退へと追い込みました。

結果とその後

最終的に、政府軍はキンサバ周辺の支配権を掌握しました。そして、シリア全土でもこの戦闘の影響が続く中、8月下旬には政府軍が新たな攻撃を始めました。9月にはさらなる大規模攻勢が行われ、数村が占領され、政府軍はイドリブ県との県境に迫りました。

この戦闘は、シリア内戦の中でも重要な局面を示すものであり、反政府勢力と政府軍の間の継続的な対立を描写しています。戦争の情勢は日々変化し、双方に多くの犠牲を伴う中で、シリアの未来を左右する大きな戦闘の一つとなりました。

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