2017年ソマリア大統領選挙

2017年ソマリア大統領選挙

2017年2月8日、ソマリアで大統領選挙が実施され、元首相のモハメド・アブドゥライ・モハメド・ファルマージョが新大統領に選出されました。この選挙は、ソマリアの内戦の影響を受け、当初の予定から大幅に遅れての実施となりました。

選挙の背景

当初、大統領選挙は2016年8月に国民投票によって行われる予定でしたが、治安上の懸念から複数回の延期を余儀なくされました。最終的には、連邦議会議員による投票という形に変更され、2017年1月26日に選挙期日が2月8日と定められました。立候補者は1月29日までに登録する必要がありました。

選挙は、首都モガディシュにあるアデン・アッデ国際空港の格納庫で行われました。これは、内戦の影響で治安が不安定なソマリアにおいて、空港が最も安全な場所の一つと考えられたためです。投票日には、モガディシュ市内の交通が禁止され、学校が閉鎖されるなど、厳戒態勢が敷かれました。

選挙の概要

2012年の前回の大統領選挙と同様に、今回も大統領は議会によって選出されました。ただし、2012年の議会は135人の長老によって構成されていましたが、今回は2016年ソマリア連邦議会選挙で選出された下院と上院の328人の議員によって選出されました。2016年の選挙は、14,025人の部族代表に有権者が限定されるというものでしたが、国際社会からは参政権拡大への「控えめな一歩前進」と評価されました。

選挙費用の約60%は、ヨーロッパの支援国、アメリカ合衆国、日本からの拠出によって賄われ、残りはソマリア政府の負担と立候補者の登録費用で賄われました。選挙には、欧州連合、アフリカ連合、政府間開発機構、アラブ連盟などの国際機関が監視団を派遣しました。

候補者と選挙結果

当初、23人の候補者が立候補を表明しましたが、最終的には21人に絞られました。主な候補者としては、現職大統領のハッサン・シェイク・モハムド、現職首相のオマル・アブディラシド・アリ・シルマルケ、前大統領のシェイク・シャリフ・シェイク・アフマド、そして元首相のモハメド・アブドゥライ・モハメドが挙げられます。

第一回投票では、どの候補も勝利に必要な3分の2の得票を得られなかったため、上位4名による第二回投票が行われました。第二回投票の結果、モハメド・アブドゥライ・モハメドがハッサン・シェイク・モハムドを破り、新大統領に選出されました。現職大統領のモハムドは、敗北を認め、モハメドの勝利を祝福しました。

モハメド・アブドゥライ・モハメド新大統領

モハメド・アブドゥライ・モハメド・ファルマージョは、モガディシュ出身でアメリカ合衆国での勤務経験があり、2010年から2011年にかけて首相を務めた人物です。彼は、就任後、過激派テロ組織アル・シャバブに対する「闘いの始まり」を宣言しました。

参考文献

2012年ソマリア大統領選挙
2016年ソマリア連邦議会選挙

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