2018年のラジオ (日本)

2018年：日本のラジオ界の主な動向

2018年の日本のラジオ業界は、番組編成、パーソナリティの変動、技術革新、社会的な出来事への対応など、多岐にわたる動きが見られた一年となりました。特に、長寿番組の終了や大型新番組の開始、フリーに転身するアナウンサーの増加、ワイドFMの整備拡大、radikoの利便性向上などが注目されました。

番組関連の主な動き

年明け早々、ニッポン放送の看板番組『オールナイトニッポン MUSIC 10』の木曜パーソナリティに渡辺満里奈が就任。前任者の降板後、週替わり体制が続いていた枠を埋めました。

各地では、ユニークなコラボレーション企画も実現。1月にはNHKさいたま放送局とNACK5が垣根を越えた共同公開生放送を実施。3月には愛知県の民放AM/FM5局がリレー形式の共同制作番組を放送するなど、放送局間の連携が見られました。

改編期には、大型番組の終了や開始が相次ぎました。3月末にはニッポン放送の朝の顔であった『高嶋ひでたけのあさラジ!』が約8年の歴史に幕を閉じ、InterFMの『Sound Tripper!』やTOKYO FMの『木村拓哉のWhat's UP SMAP!』といった人気番組も終了しました。一方で、4月からはTBSラジオで平日の夜帯に『アフター6ジャンクション』、ニッポン放送では朝に『飯田浩司のOK! Cozy up!』、夕方に『草野満代夕暮れWONDER4』といった新番組がスタート。TBSラジオはプロ野球中継から撤退し、編成を大きく転換しました。

長寿番組のパーソナリティ交代も注目されました。STVラジオの『ウイークエンドバラエティ日高晤郎ショー』はメインパーソナリティの日高晤郎が体調を崩し、その後逝去。番組はタイトルを改め、後任が引き継ぐ形となりました。MBSラジオではアリスがパーソナリティを務める平日版『MBSヤングタウン』が約18年ぶりに復活。また、毒蝮三太夫がレポーターを務める『ミュージックプレゼント』がTBSラジオの『たまむすび』内で放送枠を移動しました。

著名人のラジオ登場も話題を提供しました。3月には民放ラジオ101局が福山雅治と菅田将暉の対談番組を全国一斉放送。TOKYO FMでは作家の村上春樹が初のラジオDJを務める特別番組『村上RADIO』が放送され、好評につきシリーズ化されました。芸能活動引退を発表した安室奈美恵の特番が民放101局やNHKラジオで放送され、注目を集めました。

スポーツ中継では、平昌冬季オリンピック、FIFAワールドカップロシア大会、全国高等学校野球選手権記念大会、プロ野球クライマックスシリーズ、日本シリーズなどがNHKや民放各局で中継されました。特にW杯日本代表戦の民放中継は全国72局が連携して放送されました。

インフラ・技術・人事などの変化

ワイドFM（FM補完放送）の開局が各地で進みました。福島県、岐阜県、岡山県、長野県、愛媛県、広島県、鳥取県、徳島県、山口県、福井県などで新たな中継局が開局し、AM放送の難聴地域や災害時の放送手段を補完する体制が強化されました。

インターネット配信サービス「radiko」も進化しました。4月にはジャニーズ事務所所属タレントの出演番組がタイムフリー・エリアフリー聴取の対象となり、利用者の利便性が向上。また、NHKラジオの全国試験配信も拡大され、多くの地域でNHKラジオ番組をradikoで聴取できるようになりました。

放送局の移転や組織再編もありました。NHK仙台、静岡、金沢の各放送局が新会館へ移転。朝日放送は放送持株会社体制へ移行し、「朝日放送テレビ」と「朝日放送ラジオ」が発足しました。

著名な人物の訃報もラジオ業界に影響を与えました。元プロ野球監督で解説者の星野仙一、STVラジオで長年活躍した日高晤郎、プロ野球解説者の衣笠祥雄、歌手の西城秀樹、漫画家のさくらももこ、コラムニストの勝谷誠彦など、ラジオにゆかりのある人々の死去に際し、追悼番組が放送されました。

アナウンサーの活動にも変化が見られました。NHKから有働由美子、登坂淳一、島津有理子らが退職し、フリーアナウンサーとして新たな活動を開始。民放各局でも、ニッポン放送の新保友映、文化放送の小尾渚沙、八木菜緒、朝日放送テレビの平岩康佑らが退職しました。

不祥事に関する報道と対応も発生しました。MBSラジオのパーソナリティによる不適切発言や、NACK5の山口達也（TOKIO）、文化放送の小山慶一郎（NEWS）による不祥事に伴う番組休止や降板。ラジオNIKKEIでは番組投票の不正操作が発覚し、番組が打ち切りとなりました。災害報道における誤報問題も課題を示しました。

聴取率調査に関しては、TBSラジオが首都圏の調査で100期連続首位を達成。しかし、radikoの普及を踏まえ、TBSラジオは年末の調査期間における「スペシャルウィーク」という呼称や統一的な編成・企画を取りやめる方針を発表し、業界内で新たな動きを示しました。

2018年は、長年にわたり親しまれてきた番組やパーソナリティが次世代へと引き継がれる一方、デジタル技術の進化や社会情勢の変化に対応し、新たな取り組みを模索する日本のラジオ業界にとって、変革期の色濃い一年となりました。

く出た一年と言えるでしょう。

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