2019年のナショナルリーグチャンピオンシップシリーズ

2019年ナショナルリーグ優勝決定シリーズ：ナショナルズの快進撃とカージナルスの奮闘

2019年のメジャーリーグベースボール（MLB）ポストシーズンは、10月1日に開幕。その中で、ナショナルリーグ優勝決定シリーズは10月11日から15日にかけて開催され、ワシントン・ナショナルズがセントルイス・カージナルスを4勝0敗で圧倒的な強さで制しました。これはナショナルズにとって球団創設51年目にして初のリーグ優勝、そしてワールドシリーズ進出という歴史的快挙となりました。

両チームは2012年の地区シリーズ以来、7年ぶりの対戦。ナショナルズは、モントリオール・エクスポズ時代を含めると38年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ出場でした。ワシントンD.C.に移転後、15年目にして掴んだ栄冠は、リーグ優勝未経験球団をシアトル・マリナーズのみに減らす結果となりました。

さらに注目すべきは、ナショナルズの4連勝という圧倒的な勝利です。ポストシーズンの7戦4勝制において、全試合で先制点を奪い、一度も同点に追いつかれることなく勝利するという偉業は、1966年のボルチモア・オリオールズ以来、実に53年ぶり2度目の快挙でした。

シリーズMVPには、ハウィー・ケンドリック選手が輝きました。第3戦では2打席連続適時二塁打を放つなど、4試合で打率.333、4打点、OPS1.012と圧巻の活躍を見せました。ナショナルズはその後、ワールドシリーズでもヒューストン・アストロズを下し、見事世界一に輝きました。今シリーズの冠スポンサーはGEICOでした。

2019年シーズンの両チーム

カージナルスは、オフシーズンにポール・ゴールドシュミット選手を獲得するなど、打線強化に力を入れてシーズンに臨みました。シーズン序盤は好調でしたが、ゴールドシュミット選手の打撃不振なども影響し、前半戦は地区3位と苦戦。しかし、後半戦に巻き返し、地区優勝を果たし、地区シリーズではアトランタ・ブレーブスを下してリーグ優勝決定シリーズに進出しました。チームの平均得点はリーグ10位でしたが、防御率はリーグ2位と投手陣が安定していました。特に守備面での強化が功を奏し、ゴールドシュミット選手も守備で貢献しました。

ナショナルズは、オフシーズンに中心打者ブライス・ハーパー選手を失うも、パトリック・コービン選手やアニバル・サンチェス選手ら投手陣を補強。シーズン序盤は大きく負け越しましたが、後半戦に大躍進。地区2位でワイルドカード争いを制し、地区シリーズではロサンゼルス・ドジャースを下してリーグ優勝決定シリーズへの切符を掴みました。打線はアンソニー・レンドン選手とフアン・ソト選手を中心にリーグ2位の平均得点を記録しましたが、救援投手陣の不安定さが課題でした。しかし、先発陣の活躍でカバーし、ワイルドカードゲーム、地区シリーズを勝ち上がりました。

リーグ優勝決定シリーズのホームフィールド・アドバンテージは、カージナルスが獲得しました。レギュラーシーズンでは両チーム7試合対戦し、カージナルスが5勝2敗と勝ち越していました。

ロースターと試合結果

両チームのロースターには、オールスター選手や、シーズン途中に加入した選手も含まれていました。注目すべきは、カージナルスのダン・ハドソン選手が、妻の出産に立ち会うため父親産休リストを利用し、一時的にロースターから外れたことです。これはポストシーズンで初めてのケースであり、大きな話題となりました。

リーグ優勝決定シリーズは、4試合すべてナショナルズが勝利。その試合結果は以下の通りです。

第1戦：10月11日、ブッシュ・スタジアム（セントルイス）
第2戦：10月12日、ブッシュ・スタジアム（セントルイス）
第3戦：10月14日、ナショナルズ・パーク（ワシントンD.C.）
第4戦：10月15日、ナショナルズ・パーク（ワシントンD.C.）

ナショナルズの劇的な勝利、カージナルスの健闘、そして個々の選手の活躍、そして社会的な話題も巻き起こしたシリーズは、2019年MLBポストシーズンの大きな記憶として残りました。

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