2020年のMoto2

2020 FIMロードレース世界選手権Moto2クラス

2020年のMoto2世界選手権は、FIMロードレース世界選手権の第72回大会における中量級クラスとして開催されました。当初は20戦の予定でしたが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、数々のレースが延期または中止となり、最終的にはヨーロッパを主とした13戦の開催となりました。

シーズン前の予定と変更点

当初の予定では、タイグランプリ、アルゼンチングランプリ、アメリカグランプリ、ドイツグランプリ、オランダグランプリの開催順序が変更される予定でした。また、1982年以来となるフィンランドグランプリの復活により、全20戦という過去最大規模のシーズンとなる予定でした。

しかし、3月以降、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界中のスポーツイベントが影響を受けました。Moto2も例外ではなく、多くのレースが延期または中止という事態に陥りました。具体的には、タイ、アメリカ、アルゼンチン、スペイン、フランス、イタリア、カタルーニャ、ドイツ、オランダ、フィンランド、イギリス、オーストラリア、日本の各グランプリが延期または中止の発表を受けました。

これらの延期・中止発表は段階的に行われ、当初は開催時期の未定のまま延期が発表され、その後、段階的に中止が決定されていきました。特に、オランダグランプリの中止は、チャンピオンシップ史上初という事態となりました。また、日本グランプリの中止は、1986年以来のことでした。

新たな開催日程とレース名

数々のレースの中止・延期を経て、最終的にヨーロッパの5か国8サーキットで13戦を開催することが決定しました。この改訂版カレンダーでは、複数のサーキットで2週連続レースを開催する異例の形となりました。具体的には、スペイン（ヘレス・サーキット）、オーストリア（レッドブル・リンク）、サンマリノ（ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ）、アラゴン（モーターランド・アラゴン）、バレンシア（バレンシア・ストリート・サーキット）の各サーキットで、2週連続してレースが開催されました。2週目については、それぞれ「アンダルシアグランプリ」、「スティリアグランプリ」、「エミリア＝ロマーニャ&リヴィエラ・ディ・リミニグランプリ」、「テルエルグランプリ」、「ヨーロッパグランプリ」という名称が用いられました。

さらに、シーズン最終戦として、2012年以来となるポルトガルグランプリがアウトードロモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェで開催されることが決定しました。

シーズン結果

最終的に、エネア・バスティアニーニがタイトルを獲得しました。激動のシーズンを戦い抜いた彼の勝利は、多くの困難を乗り越えた証と言えるでしょう。ポイントシステムは、15位までに入賞したライダーにポイントが与えられ、完走が条件とされました。ライダーズランキング、マニュファクチャラーズランキング、チームズランキングは、この13戦の結果に基づいて決定されました。

まとめ

2020年のMoto2世界選手権は、新型コロナウイルスの影響を大きく受け、当初予定とは大きく異なるシーズンとなりました。しかし、関係者らの努力により、最終的には13戦を開催することができ、エネア・バスティアニーニがチャンピオンに輝きました。このシーズンは、Moto2の歴史において、特異かつ記憶に残るシーズンとして記録されることでしょう。その激動のシーズンを戦い抜いた選手たち、そして関係者全ての努力に敬意を表します。

もう一度検索