2021年の埼玉西武ライオンズ

2021年の埼玉西武ライオンズのシーズン振り返り

2021年の埼玉西武ライオンズは、監督の辻発彦が5年目を迎えたシーズンです。チームスローガンは「BREAK IT」となり、厳しい状況を打破する決意が表れています。前年、クライマックスシリーズ進出を果たせなかったライオンズは、主なスタッフの交代や外部からの招聘を行わず、辻監督のもとで新シーズンに臨みました。

開幕前の状況

ラインナップでは、正遊撃手の源田壮亮や前年の指名打者として活躍した栗山巧が軸となる一方、森友哉は打率3割の復活を目指し、山川穂高は故障からの復帰を狙っています。また、外崎修汰や中村剛也が前年の不振からの飛躍を図る中、金子侑司や木村文紀がポジションを確立しようと奮闘しています。

開幕ローテーションは、髙橋光成を主軸に若手投手が並びましたが、平均年齢は23.5歳という非常に若いメンバー構成です。リリーフ陣では、昨年のセーブ王である増田達至や平良海馬が重用され、期待が寄せられました。開幕前は先発陣や打線の厚みに懸念がされる一方で、新ルールでのリリーフ活用による上位進出の期待もあり、予想は二分されました。

開幕後の好調と苦境

シーズンが始まると、開幕2戦目で栗山が故障、さらには山川や外崎も負傷に見舞われ、チームは苦しい戦いを強いられました。特に、リリーフ陣も不調が続き、戦力の分薄化が懸念された中、源田がコロナに感染し、金子や若林もけがで登録抹消になるなど、野手陣の層も薄まりました。しかしながら、6月には平良が連続無失点記録を樹立し、チームの前半戦を盛り上げます。

前半戦を借金5の状態で終えたライオンズは後半戦で選手が復帰する中、巻き返しを図りました。しかし、山川や栗山の不振が続く中、若手選手も調子を落とし、連敗が続きます。先発ローテーションでは今井や髙橋が奮闘する一方で、投手陣の層の薄さが浮き彫りになる局面もありました。

リリーフ陣の奮闘と最終成績

リリーフ陣は平良がフル回転し、「シーズン20ホールド20セーブ」の偉業を達成しました。また、水上由伸や新加入の公文克彦がチームに貢献し、若手が経験を積みましたが、主力選手たちの不振が響きチームは最下位に沈む結果となりました。

今シーズンは、栗山巧が2000試合出場と2000本安打を達成するなど個々の選手の成績が際立ったものの、チーム全体としては安定感を欠きました。最終的には、所沢移転以来42年ぶりの最下位でシーズンを終え、ライオンズは新たな課題を抱えることとなったのです。

このように、2021年の埼玉西武ライオンズは厳しい状況の中、選手たちの個々の成績や記録は光ったものの、チーム全体の調和と勝利を見出せないシーズンとなりました。

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