2022年のテレビ (日本)

2022年の日本のテレビ動向：変化と話題に富む一年

2022年（令和4年）は、日本のテレビ業界にとって、多くの変化と記憶に残る出来事が interwoven された一年となりました。長寿番組の幕引き、新たな試みの開始、そして業界内外の著名人の訃報など、多角的な側面からその動きを振り返ります。

年明けは、各局が趣向を凝らした新春特別番組で彩られました。日本テレビ系では、長寿演芸番組『笑点』の元日特番で新メンバーとして桂宮治の加入がサプライズ発表され、大きな話題となりました。また、『ザ!鉄腕!DASH!!』や『月曜から夜ふかし』の特別版、King & Prince|King_&_Princeの冠番組の全国ネット進出など、人気レギュラー番組のスペシャル企画が展開されました。BS放送では、メジャーリーガー大谷翔平と松坂大輔に焦点を当てた特別番組などが放送され、スポーツファンの注目を集めました。

1月には、NHKの歴史教養番組『バタフライエフェクト』がレギュラー化に向けた動きを見せ、TBS系『笑点』に桂宮治が正式加入するなど、既存番組のリフレッシュや新たな取り組みが始まりました。一方、新型コロナウイルスの影響はテレビ界にも及び、フジテレビ系『めざましテレビ』やテレビ朝日系『ミュージックステーション』では、出演者の感染による一時休演や代役での対応が見られました。南太平洋での大規模噴火に伴う津波警報発令時には、NHKをはじめとする主要局が深夜にもかかわらず緊急報道体制を敷き、災害情報の伝達に尽力しました。また、BS放送の多様化が進み、BSよしもと、BS松竹東急、BSJapanextといった新たなチャンネルが開局しました。

春の番組改編期は、テレビの歴史における一つの節目となりました。NHK総合『ガッテン!』が27年、日本テレビ系『人生が変わる1分間の深イイ話』が14年、朝日放送テレビ制作『おかずのクッキング』が48年といった、長年親しまれた番組が相次いで終了しました。その他にも『トリニクって何の肉!?』、『霜降りミキXIT』、『中居大輔と本田翼と夜な夜なラブ子さん』、『痛快TV スカッとジャパン』（今後は不定期特番）、『関ジャニ∞クロニクルF』などがレギュラー放送を終えました。また、『タモリ倶楽部』が深夜レギュラーから特番形式へ移行するなど、番組形態を変更するケースも見られました。その一方で、NHK総合『クローズアップ現代』が旧タイトルに戻り、新キャスターで再スタートを切ったり、『映像の世紀 バタフライエフェクト』が新たに始まるなど、報道・教養分野での再編がありました。バラエティでは、日本テレビ系で『しゃべくり007』や『月曜から夜ふかし』がゴールデン・プライム帯へ進出し、テレビ朝日系では『スーパーバラバラ大作戦』という新たな深夜帯バラエティ枠が誕生しました。『DAIGOも台所』や『あしたの内村!!』がレギュラー番組としてスタートするなど、新しい顔ぶれや企画も多数登場しました。NHK Eテレの子供向け番組『おかあさんといっしょ』では、うたのおねえさんや人形劇シリーズが一新され、子供たちの人気を集めました。

2022年は、テレビ業界内外で活躍した多くの著名人が惜しまれつつこの世を去りました。小説家で元東京都知事の石原慎太郎、落語家の六代目三遊亭円楽、俳優の宝田明、漫画家の藤子不二雄Ⓐ、お笑いタレントの上島竜兵（ダチョウ倶楽部）、自動車評論家の三本和彦、元プロレスラーのアントニオ猪木、俳優・タレントの渡辺徹など、各界のレジェンドたちの訃報が伝えられ、テレビ番組では追悼企画やゆかりの作品の再放送が行われ、その功績を偲びました。

スポーツ分野では、2月の北京冬季オリンピック・パラリンピック、夏の高校野球大会、7月の世界陸上オレゴン、そして11月から12月にかけて開催されたサッカーワールドカップカタール大会といった国際的なビッグイベントが放送され、多くの視聴者が熱狂しました。特に世界陸上では、長年メインキャスターを務めた織田裕二と中井美穂が今大会を最後に勇退し、注目を集めました。一方で、フジテレビ系ではキックボクシングの大型イベント『THE MATCH 2022』の中継が直前で中止となる異例の事態も発生しました。

業界内の動きとしては、放送倫理・番組向上機構（BPO）が、番組の取材方法や演出、セクハラ問題などに関する申立てについて審議入りを決定するなど、放送倫理に関する議論が活発に行われました。また、テレビ朝日社員の逮捕や不正受給問題といった不祥事も報じられました。各放送局では開局や社名変更、本社移転など様々な節目を迎え、記念のキャンペーンやイベントが実施されました。番組では、『おはスタ』が子供向け生放送番組の最多エピソード数でギネス世界記録に認定されたり、『ミュージックフェア』が放送2900回、NHK総合『SONGS』が放送600回を達成するなど、長寿番組の記念回も多数ありました。

年末にかけては、『お笑いの日』、『キングオブコント』、『THE W』、『M-1グランプリ』といった大型お笑い特番が盛り上がりを見せ、『輝く!日本レコード大賞』や『NHK紅白歌合戦』が生放送され、テレビが一年を締めくくる様式美を届けました。

2022年は、メディア環境の急速な変化や、視聴者の視聴スタイルの多様化が進む中で、テレビがコンテンツ制作や発信の方法を模索し、新たな可能性に挑戦した一年であったと言えるでしょう。既存の枠組みを維持しつつ、変化に対応しようとするテレビ業界の努力が見られた年でした。

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