2022年ロシアのウクライナ侵攻に対する反戦・抗議運動

2022年ロシアのウクライナ侵攻に対する反戦・抗議運動

2022年2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻に対し、世界中で反戦・抗議運動が巻き起こりました。これらの運動は、西側諸国だけでなく、ロシア国内でも行われ、侵攻に対する国際的な反発の強さを示しました。

世界各地の抗議活動

2月23日:
ベルリンのブランデンブルク門がウクライナ国旗の色である青と黄色にライトアップされました。

2月24日:
ニューヨークとタイのバンコクで抗議デモが行われました。
ブリュッセル、ローマ、ロンドン、ブラチスラヴァなど、多くのヨーロッパの都市で主要な建物がウクライナ国旗の色でライトアップされました。

2月25日:
ニューヨークで再び抗議デモが行われ、ジョージアのトビリシでは3万人が参加する大規模なデモが行われました。

2月26日:
パリ、シドニー、キャンベラなど、世界各地で抗議デモが開催されました。

2月27日:
ベルリンで10万人、プラハで7万人、マドリードで4万人という大規模な抗議デモが実施されました。

3月1日:
ノーベル平和賞受賞者のベアトリス・フィンとドミトリー・ムラトフが、ロシアの核部隊警戒態勢に対して、核の脅威が「最も危険な水準」に達したと共同声明を発表し、ロシアに命令の撤回を求めました。

3月4日:
ラトビアのリガでは、ロシア大使館の住所を「ウクライナ独立通り」に変更することが決定しました。

3月5日:
ベルリン、ソウル、ワシントンD.C.など、多くの都市のロシア大使館前やホワイトハウス前で抗議デモが行われました。

3月7日:
ワシントンD.C.のロシア大使館前で、ヨーヨー・マがチェロを演奏し、ケネディ・センターではウクライナ国歌を演奏しました。
アルバニアのティラナでは、ロシア大使館がある通りを「自由ウクライナ通り」と改名することが決定しました。

3月9日:
リトアニアのヴィリニュスでは、ロシア大使館の住所が「ウクライナ英雄通り」に変更されました。

3月13日:
ドイツ各地で約12.5万人が参加する大規模な抗議デモが行われました。

3月以降:
ポーランドとベラルーシの国境で、デモ隊が道路を封鎖し、50キロに及ぶ車両の列が発生しました。

4月3日:
カナダのオタワにあるロシア大使館前で、ロシア軍による幼児の犠牲に抗議するため、空のベビーカーが並べられました。

4月6日:
ルーマニアのブカレストにあるロシア大使館の門に乗用車が衝突、炎上する事件が発生しました。
ヴィリニュスでは、ロシア大使館に隣接する池が赤く染められ、抗議活動が行われました。

4月8日:
ハンガリーのブダペストにあるロシア大使館前で、ブチャの虐殺に抗議するデモが行われました。

4月11日:
エストニアのタリンにあるロシア大使館前で、ウクライナ人女性に対する性的暴行に抗議するデモが行われました。

4月14日:
ワシントンD.C.のロシア大使館にウクライナ国旗が投影され、大使館員が投光器で消そうとする場面がありました。

4月16日:
在米ロシア大使館前に、ウクライナの国花であるヒマワリの種や苗が植えられました。

5月9日:
ポーランドのワルシャワで、ロシア大使が墓地で赤い液体をかけられる事件が発生しました。

ロシアとベラルーシの内部からの抵抗

ベラルーシでも、ロシアの侵攻と自国政府の協力に反対するデモが発生し、多くの人が拘束されました。
反体制派ハッカー集団「サイバー・パルチザン」が、ベラルーシの鉄道システムへのサイバー攻撃を行い、ロシア軍の移動を妨害しました。

ウクライナ、中国、台湾、日本の反応

ウクライナの女性柔道家ダリア・ビロディドが、戦争に反対するメッセージをSNSで発信しました。
中国の歴史学者らが戦争停止を求める声明を発表しましたが、当局によって削除されました。
中国政府の諮問機関幹部が、ロシア擁護は中国の孤立を招くと警告し、その主張がSNSで拡散されましたが、これも当局によって削除されました。
台湾では、「今日のウクライナ、明日の台湾」という懸念が広まり、ロシア代表事務所前で抗議活動が行われました。
日本では、在日ウクライナ人や日本人による抗議デモが全国各地で繰り広げられ、多くの自治体議会がロシアを非難する決議を採択しました。広島市と長崎市の市長は、核兵器の使用を示唆するロシアに抗議文を送付しました。また、在日ロシア人も反戦デモに参加しました。

スポーツ界の反応

IOCとIPCは、ロシアとベラルーシを非難し、両国での大会開催を中止・移転させ、国旗と国歌の使用を禁じました。
欧州サッカー連盟もロシアの軍事侵攻を非難しました。
多くのスポーツ連盟がロシアとベラルーシとの関係を断ちました。
ワールドテコンドーは、プーチン大統領に授与した名誉段位を剥奪しました。
北京冬季パラリンピックでは、ウクライナ選手団がロシアの侵攻に抗議する集会を開きました。

アノニマスによるサイバー攻撃

国際ハッカー集団アノニマスが、ロシア政府や企業へのサイバー攻撃を宣言し、実際にロシア国防省のウェブサイトがダウンしました。
ロシア国内のテレビ局や動画配信サービスもハッキングされ、ウクライナの戦闘映像が映し出されました。
アノニマスは、ロシアから撤退しない企業に攻撃を警告し、ロシア政府が情報統制を行っていると非難しました。
また、ロシア市民の連絡先をハッキングで収集し、欧米メディアの情報を送信したり、誰でもロシア市民にメッセージを送れるウェブサイトを設置しました。

SNSでの情報戦

メタ・プラットフォームズは当初、一部の国でロシア人やロシア兵への暴力を呼びかける投稿を容認しましたが、批判を受け、この措置を撤回しました。
その後、ウクライナのユーザーによる投稿のみを対象とするなど、対象を縮小しました。

まとめ

2022年のロシアによるウクライナ侵攻に対する反戦・抗議運動は、世界中で様々な形で行われました。市民の連帯、ハッカー集団の活動、スポーツ界の対応、そしてSNSでの情報戦など、その影響は多岐にわたります。これらの行動は、国際社会がロシアの侵略行為を容認しないという強いメッセージを送るものとなりました。

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