206型潜水艦

206型潜水艦

206型潜水艦は、旧西ドイツ海軍、そして統一後のドイツ海軍が運用していた通常動力型潜水艦です。前任の205型潜水艦の設計思想を受け継ぎ、冷戦時代におけるバルト海での防衛を主な目的としていました。

概要

206型潜水艦は、ワルシャワ条約機構軍がバルト海を渡って侵攻してくる事態を想定し、その迎撃を主任務として建造されました。当時の潜水艦にとって、磁気機雷や対潜哨戒機による磁気探知は大きな脅威でした。そのため、206型潜水艦は、単殻式の船殻に非磁性鋼を用いることで、これらの脅威に対する防御力を高めています。

旧西ドイツ海軍向けには合計18隻が建造されました。そのうち12隻は、1990年代初頭に近代化改修工事を受け、206A型として再就役を果たしました。しかし、後継となる212A型潜水艦の就役が進むにつれて、206型潜水艦の退役も進み、2011年3月には全艦が退役しました。

退役した206型潜水艦のうち、部品取り用として扱われた2隻を含む4隻がコロンビア海軍に売却され、そのうち2隻が再就役を果たしています。

派生型

206型潜水艦の派生型として、イスラエル向けのガル級潜水艦が存在します。ガル級潜水艦は、政治的な理由からドイツではなくイギリスのヴィッカーズ造船所にて「540型」という型式名で建造されました。ガル級潜水艦は3隻が建造され、1番艦は1976年に就役しました。206型潜水艦と同様に、HDW社が設計を担当しています。しかし、より新しいドルフィン級潜水艦の就役が進んだことで、ガル級潜水艦も退役することになりました。2006年には1隻が解体処分となり、残りの2隻はHDW社に送り返され、新たな買い手が探されています。

関連項目

205型潜水艦
212A型潜水艦 / 214型潜水艦
209型潜水艦

外部リンク

Unterseeboot Klasse U206A — GlobalSecurity.org

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