21-K 45mm対空砲

21-K 45mm対空砲：ソ連海軍の黎明期を支えた対空砲

21-K 45mm対空砲は、ソビエト連邦海軍が第二次世界大戦期を中心に運用した艦載高射砲です。この砲は、19-K 45mm対戦車砲、そしてその改良型である53-K 45mm対戦車砲をベースとしています。19-Kの起源は、1933年にアドルフ・ヒトラーが政権を握る以前にドイツのラインメタル社が開発し、ソ連に売却された3.7cm砲に遡ります。ソ連は、この3.7cm砲をコピーし、既存の47mm砲弾の在庫を再利用するため、口径を45mmに拡大しました。

1934年以降、21-Kはソ連海軍の多くの艦艇に軽高射砲として搭載されました。しかし、1942年から1943年にかけて、より高性能な全自動式70-K 37mm対空砲に更新されました。21-Kは第二次世界大戦だけでなく、冷戦期にも運用されました。冷戦期には、ソ連から艦艇の供与を受けた友好国が主に使用しました。しかし、発射速度が遅く、時限信管を使用できないという欠点から、対空兵器としての有効性は高くありませんでした。

設計

21-Kは、53-K対戦車砲に最小限の改修を加えた設計です。53-Kの砲身を単純な台座砲架に搭載した構造となっています。尾栓は半自動式であり、発射後に自動で排莢と鎖栓の開放を行い、次弾の装填を受け付ける状態になります。ただし、装填は手動で行う必要があり、発射速度が重要な高射砲としては理想的ではありませんでした。対照的に、同時期のボフォース 40mm機関砲は、4～5発の弾薬をまとめた挿弾子を使用し、21-Kの約4倍の発射速度を実現していました。

初期の21-Kはビルトアップ式の砲身を採用していましたが、後期型ではモノブロック式の砲身に改良されました。また、生産初期には尾栓にトラブルが多発し、最初の1年間に製造されたものは半自動式の尾栓機構を全く使用できませんでした。

詳細

21-Kは、砲架を含めた重量が507kgでした。操作は人力で行い、俯仰角は-10度から85度まで、俯仰速度は毎秒10～20度でした。左右方向には全周旋回が可能で、旋回速度は毎秒10～18度でした。ただし、実際の射撃方向は周囲の障害物によって制限されることがありました。1930年代中期には、河川砲艦向けに21-Kを搭載した動力式砲塔が開発されました。単装砲塔「40-K」は2000kg、連装砲塔「41-K」は2600kgの重量がありました。どちらも俯仰角範囲は-5度から85度(速度8度/秒)、全周旋回式（速度4.8～9.8度/秒）でした。

弾薬

21-Kは、53-K対戦車砲と同じ弾薬を使用しました。対空用途としては、時限信管がないことが最大の問題であり、航空機に損害を与えるためには直接命中させる必要がありました。

まとめ

21-K 45mm対空砲は、ソ連海軍の初期の対空戦力を支えた重要な兵器でしたが、技術的な制約からその有効性は限定的でした。しかし、その開発と運用は、ソ連の対空兵器開発の歴史において重要な一歩であったと言えるでしょう。

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