24時間テレビ 愛は地球を救う5

1982年放送『24時間テレビ』：記憶に残る感動と社会へのメッセージ

1982年8月21日と22日、日本テレビ系列で放送された『24時間テレビ「愛は地球を救う」』第5回は、日本中に感動と活気を呼び起こしました。メイン会場となった武道館のステージは、直前に開催された『日本テレビ音楽祭』のセットを一部流用するなど、準備期間の短さの中での工夫が垣間見えます。

この年から1991年まで、多くの回でエンディングに『エバー・グリーン・ラブ～人間という名の大きな樹～』が歌われ、出演者、スタッフ、ボランティアが一体となって番組を締めくくるのが恒例となりました。番組宣伝では、タモリによる竹村健一のものまねが大きな話題を呼び、視聴者の記憶に強く刻まれました。

番組のメインテーマは『ストップ!ニッポン姥捨て時代!』と、当時社会問題化しつつあった高齢化問題に正面から向き合った姿勢が見て取れます。総合司会は徳光和夫アナウンサー、チャリティーパーソナリティには萩本欽一、星野知子、岩崎宏美ら人気タレントが務めました。

番組には西田敏行、大村崑、坂本九、B&B、藤山一郎といったそうそうたるメンバーに加え、横山やすし・西川きよし、もんた&ブラザーズ、大橋純子といった当時の国民的スターが出演。バラエティに富んだ企画と、豪華な顔ぶれが番組を彩りました。

番組を盛り上げた企画の一つとして、『スリーマンにアタック!』というドラマスペシャルが放送されました。これは高齢化社会における家族の問題を描いた作品で、若尾文子、笠智衆といったベテラン俳優陣の演技が視聴者の心を掴みました。原作は式田和子の『親守り唄 三人の親をみとった主婦の奮戦記』で、安倍徹郎による脚本、河野和平による演出、そして坂田晃一の音楽がドラマに深みを与えています。

また、『ふれ愛・お話し中!』と題されたコーナーでは、所ジョージ、岩崎宏美、サザンオールスターズ、そして海外からアース・ウィンド・アンド・ファイアーといったアーティストが参加するチャリティー寄席や音楽コンサートが放送されました。これらの企画を通して、視聴者参加型の募金活動が盛んに行われ、社会貢献への意識の高まりを印象づけるものとなりました。

さらに、番組開始前の期待感を高めるための事前番組『始まるまで待てない!24時間テレビ超特大予告編』も放送され、高見知佳やみのもんたといった人気タレントが出演し、本編への期待感を煽りました。

この第5回『24時間テレビ』は、豪華な出演者、社会問題への鋭い視点、そして視聴者参加型の募金活動といった要素が複雑に絡み合い、番組を大きな成功へと導いたと言えるでしょう。単なるエンターテイメント番組にとどまらず、社会貢献を強く意識した内容が、視聴者の心に深く刻まれた、記憶に残る一作となりました。 この番組は、現在でも『24時間テレビ』の歴史の中でも重要な位置を占めていると言えるでしょう。 放送時間や出演者、そして番組構成は、後の『24時間テレビ』シリーズに大きな影響を与えたことは間違いありません。様々な資料から当時の状況を紐解くと、社会全体の関心の高さと、番組制作側の熱意が感じられます。 まさに時代の縮図ともいえる、忘れがたい番組でした。

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