3K96 リドゥート

3K96 リドゥート

3K96リドゥート（ロシア語表記: 3К96 «Редут»）は、ロシア連邦が手掛けた艦対空ミサイルシステムであり、海軍の防空能力を大幅に向上させるために設計されています。このシステムは、陸上型のS-400とともに開発され、長距離から近距離にわたるさまざまな脅威に対処することができるのが特徴です。

概要

リドゥートは、ソビエト連邦後期からロシア連邦時代にかけて開発されたさまざまな対空ミサイルシステムに代わるものとして、特に注目されています。従来のシステムでは、長距離用のS-300Fフォールト、中距離用の3K90ウラガンや3K37ヨーシュ、近距離用の3K95キンジャールといった異なるシステムが存在し、各艦艇ごとにそれぞれ装備されていました。しかし、リドゥートは単一のシステムでこれらの能力を統合する点で、非常に革新的です。

使用ミサイル

長距離用

リドゥートでは、48N6系列のミサイルが使用されており、特に射程約200kmの48N6E2が代表的です。さらに、最新の48N6DM（射程約250km）も搭載される可能性があります。この系列のミサイルは、限定的な弾道ミサイルへの対処能力も備えています。ミサイルは1セルに1本を収納し、指令、慣性誘導、セミアクティブ・レーダー・ホーミング（SARH）方式で誘導されます。

中距離用

中距離用としては、9M96系列が採用されています。9M96E1は射程約40km、9M96E2は約120kmの射程を持つ小型ミサイルです。この系列は、4発収納可能との報告もありますが、実際の運用では1発ずつ使用されることが一般的です。誘導には慣性誘導とアクティブ・レーダー・ホーミング（ARH）が使用されます。

近距離用

近距離用のミサイルは、陸上型S-400にはないもので、リドゥートでは射程約15kmの9M100を採用しています。このミサイルはR-73から派生したもので、艦の防空に特化した短距離ミサイルです。1セルには4本のミサイルが収納可能とされています。誘導方式は赤外線誘導です。

誘導システム

リドゥートの誘導システムは、搭載艦によって異なります。22350型フリゲートでは、艦橋四方に配置されたフェーズドアレイレーダー「ポリメント」を使用します。一方、20381/20385型コルベットでは、「フルケ」と呼ばれるフェーズドアレイレーダーが採用されています。

搭載艦

リドゥートは主にロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートや20381/20385型コルベットなどに搭載されています。

脚注

リドゥートに関連する他のシステムとしては、S-400ミサイルやS-300ミサイルが挙げられます。これらのシステムとの互換性も、リドゥートの大きな利点の一つです。

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