アドミラル・ゴルシコフ級フリゲート

アドミラル・ゴルシコフ級フリゲートについて

アドミラル・ゴルシコフ級フリゲート（22350型）は、ロシア海軍に属する戦闘艦です。この艦級は、1980年代のソ連海軍によって進められた防衛重視の船舶開発計画を受け継ぎ、経済復興を背景に実現しました。初めは13040型フリゲートとして計画されていましたが、ソビエト連邦の崩壊や財政的な制約により、計画は棚上げされました。

しかし、2000年代に入り、原油価格の高騰に伴う国家予算の増加を受けて、新たな艦船の建造が開始されました。これにより、956型駆逐艦の後継艦としてアドミラル・ゴルシコフ級が開発されることが決定しました。最初は大型の8,000トン級として計画されたものの、最終的には4,000トン級のフリゲートに縮小されて建造されました。

設計

アドミラル・ゴルシコフ級の設計は、セーヴェルノエ計画設計局が手掛けています。この艦は1135型警備艦を基にした設計で、従来の艦船から大きく変化した艦橋やマストが特徴です。上部構造物には軽量でレーダー反射が少ない材質が使用され、機動性の向上に寄与しています。主機関にはCODAG方式が採用され、ディーゼルエンジンとガスタービンエンジンを組み合わせることで、燃費と速度の両立が図られています。

装備

C4ISRシステム

この艦には、高度な戦術情報処理装置であるシグマ-22350が搭載され、ツェンタウロ-NM衛星通信システムにより遠隔地での運用が可能です。主レーダーには5P20K「ポリメント」が装備され、空中および水上目標の探知と攻撃が一元化されています。

武器システム

防空システムには3K96「リドゥート」が導入されており、複数のミサイルシステムを組み合わせて広範囲の防御を実現しています。また、艦対艦ミサイル用のUKSK型VLSが搭載されており、カリブルNKを運用可能です。主砲には、130mm速射砲のA-192Mが搭載され、最新の火器管制システムが採用されています。

CIWSと自己防御システム

近接防空システム（CIWS）には3M89「パラシ」が2基装備され、各種のミサイルや砲による多層的な防御が施されています。デコイ発射機も搭載されており、艦船の防護を強化しています。

配備状況

アドミラル・ゴルシコフ級の最初の艦である「アドミラル・ゴルシコフ」は2006年に起工し、装備の開発遅延により就役が遅れました。最終的に、2023年1月にはツィルコンミサイルを搭載した初の任務航海を実施しました。今後も彼らの運用が期待されています。

輸出型

22356型という輸出型が2010年に発表され、さらに多様な装備が盛り込まれています。特徴的な点として、各種のミサイルシステムやレーダー装置が組み合わされ、国際的な防衛ニーズに応じた設計がされていることが挙げられます。

本級は、最新の技術を基にしたロシア海軍の重要な艦船として、海上での存在感を高めています。

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