4.17ゼネスト

4.17ゼネストの概要とその背景

1964年に日本で計画された「4.17ゼネスト」は、当時の日本社会における大規模な労働闘争の一環として評価されています。これは、春闘の一部として、多くの労働者が参加を予定していましたが、最終的には不発に終わりました。

春闘の背景

この年の春闘は、主に三つの要求で構成されていました。第一に25％以上の賃上げ、第二に最低賃金の確立、そして第三に労働時間の短縮です。これらは、労働者の生活向上を図るための重要な要求であり、数か月にわたる長期的な闘争が想定されていました。2月に開催された総評臨時大会では、当時の太田薫議長が「5,000円以上の賃上げを勝ち取るためには、無期限のストライキ体制を確立する必要がある」と述べ、ストライキの重要性を強調しました。

この言葉は、多くの労働者にとって、組織的な闘争が必要であることを再確認するものでした。以降、2月から3月にかけて公労協や婦人グループなど、さまざまな集会が開かれ、労働者たちは一致団結して、共通の目的に向かって取り組みました。

4.17ゼネストの計画

3月4日には、公労協が4月17日に一斉半日ゼネストを実施することを正式に決定しました。この決定は、労働者の権利を主張する重要なアクションとして位置づけられていました。しかし、4月に入った後、ストライキの準備が進む中、突如として日本共産党がスト中止を呼びかけました。この決定は、党内部の意見対立を引き起こし、愛知県の党員たちは党の方針に反発しました。彼らは党の裏切りを痛烈に批判する決議を行い、その声明を全国に広めました。このことは、党内の対立と混乱を反映した出来事でした。

ストライキ前の動きとその中止

4月16日、首相官邸で、太田議長と総評事務局長の岩井章が、池田勇人首相と会談を行いました。この中で、太田議長は「公労協の賃金を民間並みに引き上げてもらう」と訴えたところ、池田首相が「わかった」と応じたことで、いわゆる「民間準拠」の原則が成立しました。この合意により、4.17ゼネストは中止されることとなり、春闘における賃上げの取り決めは12.4％、3,305円という結果に至りました。

日本共産党の後の動き

この出来事は、日本共産党にとっても波紋を呼びました。同年7月には中央委員会総会を開催し、4月8日の声明が誤りであったと認めて自己批判を行いました。また、11月には第9回党大会においても、スト中止の方針を提言した聴濤克巳が自己批判を発言しました。しかし、この自己批判にも関わらず、内外の労働運動における共産党の影響力は顕著に減少しました。特に、総評内の社会党支持グループからの反発は強く、党の立場は厳しいものとなりました。

結論

「4.17ゼネスト」は、労働運動の盛り上がりと共にその後の日本社会においても重要な意味を持つ出来事でしたが、実際には実現しなかったことから、多くの議論が生まれました。このストライキ計画は、労働者の権利向上に対する固い結束を象徴するものであり、政治や社会の背景とも密接に関わっています。

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