61式大型雪上車

61式大型雪上車についての詳細

61式大型雪上車は、陸上自衛隊において使用されていた国産の雪上車です。この車両は「61式6t雪上車」とも呼ばれ、特に雪深い地域での運用を想定して設計されました。陸上自衛隊の装備品の中でも特異な位置を占めており、冬の厳しい環境下での作戦に不可欠な存在として活躍しました。

開発の背景

国産雪上車の開発は1952年に始まりました。当初は、雪上車が降雪地方でのみ使用されることから、通常のトラックとの併用が避けられるよう設計されることが考えられていました。しかし、中型雪上車、後の60式3t雪上車が開発される中で、105mm砲の牽引が不可能であるとの判断が下され、別の大型雪上車が必要とされました。

この新たな大型雪上車の開発は、陸上自衛隊が具体的な運用方針を策定し、性能要件を防衛庁技術研究所に提示する形で進められました。陸幕は、この大型雪上車が求められる性能として、積雪地で人員を10名、または1トンの弾薬を搭載できることや、105mm砲を牽引可能であることを示しました。また、行動距離や道路走行能力、他の自衛隊車両との部品互換性の向上も求められました。

仕様と性能

61式大型雪上車の開発は1955年に始まり、A型およびB型の開発が行われましたが、性能上の障害や改良が相次ぎました。最終的に1961年にB型の改良型が61式として制式化され、これにより91両が新たに調達された結果、合計で95両が運用されることになりました。この大型雪上車は1979年に78式雪上車に更新されるまで、一定の役割を果たしました。

諸元

61式大型雪上車の具体的な諸元は以下の通りです：

• - 全長: 5,340mm
• - 全幅: 2,500mm
• - 全高: 2,200mm
• - 車両総重量: 6,500kg
• - 最大積載量: 1,280kg（11名搭乗可）
• - 乗員: 2名
• - 最高速度: 35km/h
• - 登坂能力: 約tanθ25%
• - エンジン: 水冷4サイクル6気筒ディーゼル
• - 出力: 155ps/2,600rpm

このように、61式大型雪上車は厳しい冬季条件下での任務を遂行するために、特化した性能と設計がなされています。日本の雪上車の歴史において重要な役割を果たしており、その技術は今でも多くの場面で活用されています。

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