63ビル

63ビル（ユクサムビル）について

63ビル（ユクサムビル）は、韓国の首都ソウル特別市の永登浦区、汝矣島に位置する非常に高いビルです。このビルは地上60階、地下3階から成り、その高さは249メートル（海抜264メートル）です。また、一般的には「63スクエア」とも呼ばれ、以前は「ハンファ63シティ」として知られていました。63ビルは、2002年まで韓国で最も高い建物として知られていました。

建設の背景

63ビルは、1980年に「大韓生命63ビル」として着工され、アメリカの著名な建築設計事務所スキッドモア・オーウィングズ・アンド・メリル（SOM）が設計を担当しました。建設は1985年に完了し、完成当時はアジアで最も高いビルとして名を馳せていました。ビルが完成する過程では、1986年にシンガポールにOUBセンターが完成するまで、アジアの最高峰として君臨しました。

その後、ビルは2002年に大韓生命保険により、韓国火薬グループ（ハンファグループ）に買収され、以来ハンファグループの所有となっています。外観の特徴として、63ビルは金色に輝いて見えるデザインが際立ち、多くの観光客を引きつけています。

現在の状況と施設

63ビルは長らく韓国での最高身長を誇っていましたが、2000年代以降に登場した高層ビルの増加により、その地位は徐々に移行しつつあります。たとえば、2017年にはロッテワールドタワー（555m）が竣工し、現在の韓国で最も高いビルとなっています。また、高さ600メートル級の新たな超高層ビルの計画も韓国国内で進められています。

ビル内には多彩な施設があります。展望台「63 SKYDECK」ではソウルの美しい景色を一望でき、地下には大型水族館「63シーワールド」やIMAXシアター、フードコートなどが設けられています。特に、63シーワールドは1985年に開館し、約400種類、2万匹の海洋生物を展示しており、訪問者にとって魅力的な観光スポットとなっています。

63シーワールド

63シーワールドは、ビル内にある大型水族館であり、広さ1078坪という広大な施設に、様々な海洋生物を収容しています。冷水性、暖水性を問わず多様な生物が展示されており、特にペンギンやワニ、ウツボなどが人気です。また、タチウオのはく製といった特別な展示もあり、来場者に新しい発見を提供しています。

特徴的なエレベーター

63ビル内には、分速540メートルの速度を誇る三菱製のエレベーターが設置されており、地下1階から地上60階まで運行しています。このエレベーターは、かつて韓国で最も速いエレベーターとされていましたが、現在では他の新しい高層ビルに設置されたエレベーターも、分速600メートルといったスピードを誇っています。

交通アクセス

63ビルにはアクセスの良い交通手段も整っています。地下鉄5号線の汝矣ナル駅や、地下鉄9号線のセッカン駅が近接しており、多くの観光客が訪れやすい立地にあります。

このように、63ビルはソウルの重要なランドマークとして、観光名所やビジネスの中心地としての役割も果たしています。その歴史、建築、施設すべてが、訪れた人々に特別な体験を提供する場となっているのです。

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