7月14日 (劇音楽)

劇音楽『7月14日』について

劇音楽『7月14日』（Le 14 Juillet de Romain Rolland）は、フランスの作家ロマン・ロランが手がけた同名の革命劇のために作曲された付随音楽です。この作品は、1936年7月14日にパリで上演された際に使用されました。特筆すべきは、この音楽が7人の著名なフランス人作曲家による合作であるという点です。

概要

この劇音楽は、フランス革命の重要な出来事を描いたロマン・ロランの劇『7月14日』を彩るために、複数の作曲家によって手がけられました。1936年7月14日の上演に際し、ジャック・イベール、ジョルジュ・オーリック、ダリウス・ミヨー、アルベール・ルーセル、シャルル・ケクラン、アルテュール・オネゲル、ダニエル・ラザリュスという、当時を代表する7人の作曲家が、それぞれ楽曲を提供しました。

楽曲構成は、フランス革命当時に盛んに歌われた革命歌や、その時代に興隆した吹奏楽を基調としています。そのため、ソプラノ独唱、合唱、そして吹奏楽という編成が採用され、革命の熱気や民衆の感情が力強く表現されています。ただし、各楽曲はそれぞれの作曲家の個性が反映されており、多様な音楽的アプローチが楽しめます。

楽譜は、フランスの出版社であるル・シャン・デュ・モンド（Le Chant du Monde）から出版されています。この楽譜を通じて、劇音楽『7月14日』は、広く演奏されるようになりました。

構成

以下に、各楽曲の構成と演奏時間（参考文献のCDに基づく）を示します。

1. 序曲（Ouverture）
作曲：ジャック・イベール
演奏時間：4分56秒

2. パレ・ロワイヤル（Palais-Royal）
作曲：ジョルジュ・オーリック
演奏時間：5分39秒
内容：第1幕、7月12日のパレ・ロワイヤルの情景を描写。

3. 序奏と葬送行進曲（Introduction et Marche funèbre）
作曲：ダリウス・ミヨー
演奏時間：8分25秒
内容：ネッケル財務大臣の罷免の知らせを聞いた群衆の行進を描写。

4. 第2幕への前奏曲（Prélude du deuxième acte）
作曲：アルベール・ルーセル
演奏時間：5分11秒
内容：7月13日夜のサン＝タントワーヌ地区の情景を描写。

5. 自由（Liberté）
作曲：シャルル・ケクラン
演奏時間：4分05秒

6. バスティーユへの行進（Marche sur la Bastille）
作曲：アルテュール・オネゲル
演奏時間：4分39秒
内容：第3幕、7月13日午後、バスティーユ牢獄へ向かう人々の行進を描写。

7. 自由の祭り（Fête de la Liberté）
作曲：ダニエル・ラザリュス
演奏時間：1分32秒
内容：バスティーユ陥落を喜ぶ人々の様子を描写。

まとめ

劇音楽『7月14日』は、フランス革命の熱気を音楽で表現した、非常に興味深い作品です。7人の作曲家による多様な音楽スタイルが、劇の内容をより豊かにしています。この音楽は、フランス革命という歴史的な出来事を、音楽を通じて追体験する機会を提供してくれます。

参考文献

フレデリック・ロベール（Frédéric Robert）：CD解説『Le 14 Juillet de Romain Rolland』（クロード・ピショロー指揮、パリ警視庁吹奏楽団）Corélia CCD 88615、1988年

もう一度検索