7.5 cm GebG 36

7.5cm GebG 36: 第二次世界大戦中のドイツ製山砲

概要

7.5cm GebG 36は、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中に用いた山砲であり、その正式名称は「7.5cm Gebirgsgeschütz 36」となります。この砲は、1938年から1945年にかけて少なくとも1,193門が製造され、ドイツ陸軍や武装親衛隊の山岳部隊における標準的な軽砲として使用されました。

開発の背景

本砲は、ドイツ国防軍の山岳部隊が必要とする7.5cm野砲の要望に応じて、ラインメタル社によって設計されました。これにより、第一次世界大戦から運用されていたオーストリア＝ハンガリー製のシュコダ 7.5cm ゲビルクスカノーネ M.15を代替することが目的とされました。1938年から量産が開始されますが、具体的な生産数は明らかになっていません。1939年から1945年にかけておよそ1,193門が製造されました。

設計と特徴

7.5cm GebG 36は、ドイツの一般的な水平鎖栓を用いた尾栓の閉鎖機構を装備し、砲口には制退器が取り付けられています。砲尾と地面の距離を伸ばすために、砲の後部には砲耳が設けられており、これにより砲口重量をバランスよく保つためにバネが取り入れられました。また、高仰角での射撃に適応するため、可変後座機構が導入されています。さらに、輸送が容易なように、砲は8分割できる設計となっており、砲尾は大型の構造を持ち、砲身から簡単に分解できます。

駐鋤は着脱可能なタイプで、開脚式の砲架が採用されました。一般に使用される車輪は軽合金製のディスクホイールにゴム製リムが装着されたものですが、初期型には木製スポーク車輪が用いられていました。防盾は軽量化のために省略され、全体の重さは750kgとなります。輸送にはラバや軍馬が用いられ、簡単に運搬できるように工夫されています。

操作と射撃性能

本砲は、発射時の反動により低仰角で跳ねがちですが、これは砲の駐鋤を支点として働くためです。そのため、装薬最大の「装薬5」を使用した際の低仰角での発砲は制限されることがありました。逆に高仰角での射撃では、制退機構が地面によって反動を吸収するため、安全な射撃が可能でした。

弾薬の種類

7.5cm GebG 36は多様な弾薬を使うことができましたが、特に通常型の徹甲弾は存在しませんでした。その代わり、5.83kgの成形炸薬弾を使用し、その射程は最大で9,250mに達します。また、同時に高性能榴弾を用意しており、他の砲（7.5cm FK 18）が使用していた弾薬も射撃可能でした。状況に応じて、発煙弾の発射も可能で、弾薬は4段階に装薬の量を調整できました。特に「装薬5」は射程の限界に達するための重要な選択肢となります。

部隊編制

7.5cm GebG 36は、基本的に4門で1個隊を編成し、各隊は大隊に2から3個配置されていました。山岳砲兵連隊は、どの地域においても1から3個の大隊がこの砲を装備する体制になっていました。

参考文献

• - Chant, Chris. Artillery of World War II, ISBN 0-7603-1172-2
• - Engelmann, Joachim and Scheibert, Horst. Deutsche Artillerie 1934-1945: Eine Dokumentation in Text, Skizzen und Bildern: Ausrüstung, Gliederung, Ausbildung, Führung, Einsatz. Limburg/Lahn, Germany: C. A. Starke, 1974
• - Gander, Terry and Chamberlain, Peter. Weapons of the Third Reich: An Encyclopedic Survey of All Small Arms, Artillery and Special Weapons of the German Land Forces 1939-1945. New York: Doubleday, 1979 ISBN 0-385-15090-3
• - Hogg, Ian V. German Artillery of World War Two. 2nd corrected edition. Mechanicsville, PA: Stackpole Books, 1997 ISBN 1-85367-480-X

詳しい情報が必要な方は、Lexikon der Wehrmachtを参照してください。

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