76

数「76」

76は自然数であり、75の直後、77の直前に位置する整数です。「ななじゅうろく」「しちじゅうろく」と一般的に読まれるほか、古くは「ひちじゅうろく」や「ななそじあまりむつ」といった読み方も存在します。

数学的な性質

76は、1とその数自身以外にも約数を持つ合成数です。その正の約数には、1, 2, 4, 19, 38, 76 があり、これらの約数を全て足し合わせると140になります。

この数はいくつかの独特な数学的数列や性質に関連しています。

自己同形数: 76を2乗すると5776となり、下2桁が元の数である76と同じになります。このように、ある数の累乗計算において下n桁が元の数と一致する数を自己同形数と呼びます。76は、2桁の自然数でこの性質を持つ25に続く数であり、自己同形数としては5番目に数えられます。
逆数の循環節: 1を76で割ったとき、小数点以下に現れる数字の繰り返し（循環節）の長さは18です。循環小数の循環節の長さが18となる数としては、76は4番目に現れます。
リュカ数: 特定の漸化式で定義されるリュカ数列において、76は9番目の項として現れる数です。
多角数: 図形的に点を配置して表現できる数のひとつである多角数のうち、76は4番目の14角数です。
各位の和: 7と6を足すと13になり、各位の和が13となる数の中で4番目に位置します。

また、76は数の構造に関して、以下のような性質も持ち合わせています。

3つの平方数の和として、`2² + 6² + 6²` の一通りの形で表すことができます。このような性質を持つ数として36番目に現れます。
素因数分解すると `2² × 19` となります。これは、素数の2乗と別の素数の積（p² × q）の形で表される数としては12番目に現れる数です。
`n³ + n² - n` という式において、n=4を代入すると `4³ + 4² - 4 = 64 + 16 - 4 = 76` となります。
`∑_{k=0}^{n}(k² + k + 1)` という級数において、n=5までの和 `(0²+0+1) + (1²+1+1) + (2²+2+1) + (3²+3+1) + (4²+4+1) + (5²+5+1) = 1 + 3 + 7 + 13 + 21 + 31 = 76` となります。
`∑_{k=1}^{n}k^{k-1}` という級数において、n=4までの和 `1⁰ + 2¹ + 3² + 4³ = 1 + 2 + 9 + 64 = 76` となります。
約数関数 σ(n) に対して `σ(n) - n` が平方数になる性質を持つ数（素数を除く）の中で9番目にあたります。
自身の3乗 `76³` と比べたとき、下2桁が同じになる数としても知られています（7番目）。
オイラーのトーシェント関数 φ(n) の値とならない数であるノントーティエントのうち、偶数であるものとしてリストアップされます。
異なる平方数の和として表せない数として31個知られているものの中で、26番目に数えられます。

様々な分野での「76」

76という数字は、数学の世界だけでなく、様々な分野や事象においても見られます。

科学: 周期表において、原子番号が76の元素はオスミウム (Os) です。非常に硬く、高い密度を持つ金属元素です。
歴史:
日本の天皇では、第76代天皇が近衛天皇です。
日本の内閣総理大臣では、第76代が海部俊樹氏です。
ローマ教皇では、第76代がウィタリアヌス（在位657年～672年）です。
スポーツ: 北米のプロバスケットボールリーグNBAに所属するチーム「フィラデルフィア・76ers」は、アメリカ独立宣言が行われた1776年にちなんで名付けられました。
文化・エンターテイメント:
ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』の有名な楽曲に「76本のトロンボーン」があります。
ゲーム会社ナムコ（現バンダイナムコエンターテインメント）が、自社のロゴや関連アイテムに「76」という数字を当て字のように用いることがあります。特にレースゲーム『リッジレーサー』シリーズでは、象徴的なカーナンバーとして登場します。
ビジネス: 石油・ガス会社フィリップス66が展開するガソリンスタンドブランドに「76」があります。
天文学: 地球から見える彗星の中で最も有名であるハレー彗星は、約76年周期で地球に接近します。
宗教: イスラム教の聖典であるクルアーン（コーラン）における第76番目のスーラは「人間」と名付けられています。
社会現象: 1976年4月2日から1977年4月1日までに生まれた世代は、インターネット業界などで活躍する人々を中心に「ナナロク世代」と呼ばれることがあります。
暦: 1月1日から数えて76日目は、平年では3月17日、閏年では3月16日にあたります。

このように、76という数字は、数学的な面白さから歴史、文化、自然現象に至るまで、多様な文脈の中でその姿を見せています。

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