76式対砲レーダ装置 JMPQ-P7

76式対砲レーダ装置 JMPQ-P7 について

76式対砲レーダ装置 JMPQ-P7は、陸上自衛隊の野戦特科部隊に配備されている対砲兵レーダーです。この装置は、敵の野砲などの発射位置や着弾位置を特定するために使用されます。東芝が製造した3次元レーダーと、小松製作所が製造した対砲レーダ用装軌車で構成されています。

開発の経緯

1969年に東京芝浦電気（現：東芝）に技術調査が委託され、その後、部分的な試作を経て、1971年末に技術試験に移行しました。初期の試験では、基本性能の確認や探知性能のテストが行われました。1972年から1975年にかけて、様々な環境下での試験が繰り返され、長射程弾の探知や寒冷地での性能評価も実施されました。これらの試験結果を踏まえ、1976年に制式化されました。

システム構成

JMPQ-P7システムは、主に以下の3つの部分で構成されています。

1. レーダ部:
走査空中線装置、回転基台、送信装置、受信処理装置で構成されています。
レーダトレーラに搭載されています。
パッシブ・フェーズドアレイ（PESA）方式を採用しており、複数の目標を同時に追跡できます。
3重ビーム方式を採用し、飛翔する弾丸の位置を正確に測定します。
レーダトレーラは2軸6輪で、アウトリガーを備えています。

2. 標定部:
対砲レーダ用装軌車に搭載されています。
指示計算装置や無線機を搭載し、レーダ部からの情報を分析します。
74式自走105mmりゅう弾砲の車体部を基本としています。
乗員は操縦手、車長、操作手2名の計4名です。
レーダトレーラを牽引する役割も担います。

3. 電源車JK-1-B:
レーダーシステムに必要な電力を供給します。

運用

JMPQ-P7は、8名で30分以内に展開・撤収が可能です。展開後は、装軌車内からの遠隔操作で装置の始動や停止、標定諸元の設定ができます。対砲レーダ用装軌車、レーダトレーラ、電源車は、50メートル離れた状態で運用できます。

配備部隊

JMPQ-P7は、特科連隊の情報中隊や特科群の観測中隊のレーダ標定小隊などに配備されています。

後継機

後継機として、対砲レーダ装置 JTPS-P16 が配備されています。

関連装備

対砲レーダ装置 JTPS-P16
* 対迫レーダ装置 JMPQ-P13

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