870年代

870年代の概観

870年代は、西暦870年から879年までの10年間を指し、中世初期にあたる時代です。この時期、ヨーロッパ、アジア各地で重要な出来事が相次ぎ、歴史の転換点となりました。以下に、この10年間に起こった主な出来事をまとめます。

ヨーロッパ

870年: メルセン条約
フランク王国が、メルセン条約によって東西に分割されました。この条約は、後のヨーロッパの国家形成に大きな影響を与えました。

871年: アルフレッド大王の即位
イングランドでは、アルフレッドが王位に就きました。彼は、ヴァイキングの侵入に対抗し、イングランドの統一と文化発展に大きく貢献した人物として知られています。彼の治世は899年まで続きました。

878年: ヴァイキングの撃退
アルフレッド大王は、ヴァイキングの侵攻を撃退し、イングランドの安定に貢献しました。この戦いは、後のイングランドの歴史において重要な転換点となりました。

871年頃: アイスランドの植民
この頃から、アイスランドへの植民が始まったとされています。これは、スカンジナビアのヴァイキングによる探検と定住の動きを示しています。

アジア

875年: 黄巣の乱
唐では、黄巣の乱が勃発しました。この反乱は、唐王朝の衰退を決定づける要因の一つとなり、その後の中国の歴史に大きな影響を与えました。乱は884年まで続きました。

875年: サーマーン朝の成立
中央アジアでは、イラン系のイスラム王朝であるサーマーン朝が成立しました。この王朝は、中央アジアの文化と政治に大きな影響を与え、イスラム文化の発展に貢献しました。

877年: トゥルーン朝のシリア併合
エジプトを拠点とするトゥルーン朝がシリアを併合し、勢力を拡大しました。

日本

876年: 陽成天皇の即位
日本では、清和天皇が譲位し、第57代陽成天皇が即位しました。

878年: 藤原保則の蝦夷平定
藤原保則が陸奥の蝦夷平定のために出発しました。

まとめ

870年代は、世界各地で政治的、社会的な変動が起こった激動の時代でした。ヨーロッパではフランク王国の分裂、イングランドではヴァイキングの侵入との戦い、アジアでは唐の衰退と新たな王朝の勃興など、この10年間は、それぞれの地域で後の歴史を大きく左右する出来事が重なりました。この時代は、中世初期の歴史を理解する上で非常に重要な時期と言えるでしょう。

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