ABSニュースワイド

ABSニュースワイド

概要

『ABSニュースワイド』は、秋田放送（ABSテレビ）が平日の夕方時間帯に放送していたローカルワイドニュース番組です。1981年3月30日に放送を開始し、1990年3月30日までの約9年間にわたり、秋田県内のその日の出来事を視聴者に届けました。本番組は、それまで放送されていた『ワイドレーダーあきた』の後継番組として企画・制作されました。

番組が始まった当初は、毎週月曜日から金曜日までの18時00分から18時30分までの30分番組として放送されていました。初代キャスターは、前番組『ワイドレーダーあきた』から引き続いて神永光が担当し、番組の立ち上げを支えました。

本番組の大きな特徴の一つは、秋田放送と地元有力紙である秋田魁新報社が協力して制作にあたっていた点です。テレビの映像と新聞の速報性・詳細な記事を組み合わせたメディアミックス形式が採用されており、当時としては先進的な試みでした。これにより、多角的な視点からニュースを掘り下げ、視聴者に対してより充実した情報提供を目指しました。

放送時間の変遷とタイトル変更

番組開始当初は30分番組でしたが、全国の日本テレビ系列局の夕方ニュース枠の編成変更に伴い、本番組も放送時間の拡大を経験しました。特に、NNNの全国ニュース枠である『NNNライブオンネットワーク』が1時間のワイド番組へと移行した影響を受け、『ABSニュースワイド』も放送時間を拡大し、18時00分から19時00分までの1時間の放送枠となりました。これにより、全国ニュースと秋田県内のローカルニュースを一体化した形で提供する体制が整いました。

1988年4月には、NNNの全国ニュース枠が『NNNニュースプラス1』へと変更されました。これに伴い、ローカルニュース枠である本番組も編成が見直されました。全国ニュース『NNNニュースプラス1』が18時から放送されるようになったため、『ABSニュースワイド』としてのローカル枠は18時30分から19時00分までの30分間に変更されました。また、番組タイトルも全国ニュース枠の名称を取り入れ、『ABSニュースワイドプラス1』と改められました。この『プラス1』を冠したタイトルでの放送は、その後約2年間続きました。

番組の終焉と後継番組

『ABSニュースワイドプラス1』としての放送が続いた後、1990年春のテレビ番組の改編期に合わせて、秋田放送の夕方ニュース枠も新たな時代を迎えることになりました。1990年3月30日をもって、『ABSニュースワイド』シリーズはその歴史に幕を下ろしました。そして、翌週からは番組タイトルを『プラス1あきた』と改め、リニューアルされた形で新たなスタートを切りました。これは、『ABSニュースワイド』が約9年間の放送を経て、『プラス1あきた』へと事実上のリニューアル、あるいは発展的解消を遂げた形と言えます。

歴代キャスター

番組の「顔」として、長年にわたり多くのキャスターが出演しました。主なキャスター陣は以下の通りです。

男性

神永光（番組開始当初のメインキャスター）
柳沼慎一
鎌田昭一

女性

茜谷幸子
佐藤美知子
丹内百子（丹内モモコ名義でも出演）

関連性の高い番組

『ABSニュースワイド』は、NNN系列の全国ニュース枠と連携しながら放送されていました。関連性の高い主な全国ニュース番組や、秋田放送の報道番組には以下のようなものがあります。

さきがけABSニュース
NNN JUST NEWS
NNN6:30きょうのニュース
NNNライブオンネットワーク
* NNNニュースプラス1

『ABSニュースワイド』は、約9年間にわたり秋田の夕方における重要な情報源として機能し、地域に密着した報道を通じて多くの県民に親しまれた番組でした。秋田魁新報との連携によるメディアミックスという独自の制作体制は、その後の地域におけるメディア連携の可能性を示すものとしても注目されました。

もう一度検索