AC部

AC部：シュールな映像世界を創造するアーティスト集団

AC部は、1999年に結成された、現在も精力的に活動する3人組の映像作家ユニットです。多摩美術大学出身の安達亨氏、板倉俊介氏、そして安藤真氏の3名によって結成されました。

結成と活動開始

ユニット結成のきっかけは、安達氏と板倉氏が在学中に制作した作品「ユーロボーイズ」が、NHK『デジタル・スタジアム』デジスタ・アウォード2000年グランプリを受賞したことでした。この受賞を機に、本格的な活動を開始することとなります。ユニット名の由来は、彼らが熱中していたゲーム『アーマード・コア』にありますが、現在の活動内容とは直接的な関連はありません。

安藤氏の活動休止と現在の体制

現在、安藤氏はゲーム会社に就職しており、AC部の活動には参加していません。そのため、作品制作の中心は安達氏と板倉氏の2名となっています。しかし、3名で築き上げた独特の作風は、現在もAC部の作品に脈々と受け継がれています。

作風：違和感とシュールさを追求

AC部の作風は、一言でいうと「違和感」です。現実離れしたシュールな世界観と、アバンギャルドな表現方法が特徴です。暑苦しいほどのリアルなイラストレーションをベースに、常軌を逸した映像表現が展開されます。

彼らは、アニメーション作画を意図的に荒くしたり、デッサンを崩したりするなど、従来のアニメーション制作工程を踏襲しない手法を用いています。その目的は、人々の固定観念を破壊し、全く新しい視聴覚体験を提供することです。板倉氏によると、この作風の原体験は、かつて授業で提出した下手なデッサンが、その違和感ゆえに面白く感じられたことにあるといいます。

多様な活動と代表作

AC部は、テレビ番組、CM、ミュージックビデオ、アニメーション映画など、多岐にわたる分野で作品を制作しています。

テレビ番組では、NHK『みんなのうた』やEテレの子供向け番組への多数の参加が挙げられます。『みんなのうた』では、クリープハイプやチームしゃちほこなど、様々なアーティストの楽曲に合わせたアニメーションを制作しています。また、Eテレの『天才ビットくん』シリーズでは長年に渡り数多くの作品を提供。

ミュージックビデオでは、ザ・マギ、group_inou、でんぱ組.inc、クリープハイプなど、多彩なアーティストのMVを手掛けています。独特な映像表現は、楽曲の世界観をさらに広げる役割を果たしています。

CMでは、西友やJOYSOUND、ドミノ・ピザなど、幅広い企業のCM制作に関わっています。

アニメーション映画では、『東京オンリーピック「『和卓球』Watakkyu」』を監督作品として発表。

その他にも、自主制作作品として、高速紙芝居「安全運転のしおり」は、第18回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品を受賞するなど高い評価を得ています。また、ポプテピピックへの参加や、Netflix作品への参加なども話題を呼びました。

デジタルアートと社会との関わり

AC部の作品は、単なるエンターテインメント作品にとどまりません。彼らの作品は、社会や人々の意識に対する鋭い視点と、デジタルアートの可能性を探求する姿勢を示しています。

まとめ：唯一無二の映像表現

AC部は、その独自のスタイルで、視聴者に驚きと感動を与え続ける映像作家ユニットです。シュールでアバンギャルドな作風、そして多様な活動分野は、今後も多くの作品を生み出し、人々の心を捉え続けることでしょう。彼らの作品は、メディア芸術データベース等で確認することが可能です。公式TwitterやYouTubeチャンネルも公開されているため、最新情報や作品を容易に知ることができます。

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