AES/EBU

AES/EBUとは

AES/EBU（エーイーエス イービーユー）は、業務用デジタル音声信号伝送規格の通称です。正式な規格名は、データフォーマットや伝送路の電気的特性によって細分化されており、それぞれが「AES3」として規格化されています。

この規格は、Audio Engineering Society（オーディオ技術者協会、略称AES）と欧州放送連合（European Broadcasting Union、略称EBU）という2つの団体によって策定されました。通称である「AES/EBU」は、これらの団体の頭文字をスラッシュで繋げたものですが、規格自体は一つであり、2つの異なる規格が存在するわけではありません。

プロトコル

AES/EBUで規定されているプロトコルでは、24bitのデジタル音声信号を2チャンネルまで伝送できます。この規格は、民生用規格であるS/PDIF|S_PDIFと伝送プロトコルにおいて互換性がありますが、業務用であるため、SCMSのようなコピーコントロール信号は規定されていません。

伝送路

一般的に、AES/EBUは3ピンのXLRコネクターとインピーダンス110Ωのシールド付きツイストペアケーブル（STP）を使用して平衡接続を行います。しかし、S/PDIF|S_PDIFの端子に合わせて、RCAピンジャックを使用した不平衡接続や、光ファイバーケーブルを使用した光接続も規格化されています。

また、BNCコネクターとインピーダンス75Ωの同軸ケーブルを使用した不平衡伝送も規格化されており、これはテレビ放送局などでコンポジット映像信号を伝送する際に使われるケーブルや機器を流用するためのものです。

2チャンネル以上の同時伝送が必要な場合には、規格外ではありますが、D-Subコネクターと多芯ケーブルが使用されることもあります。

関連規格

S/PDIF|S_PDIF
AES/EBUを基に開発された民生用のデジタル音声伝送規格です。プロトコルの互換性があり、家庭用オーディオ機器などで広く使われています。

まとめ

AES/EBUは、プロフェッショナルなオーディオ環境で広く使用されているデジタル音声伝送規格です。その高い信頼性と安定性から、放送局やレコーディングスタジオなどで広く採用されています。S/PDIF|S_PDIFとの互換性も持ちつつ、より厳格な要件に対応できるように設計されています。これらの特徴から、高品質な音声伝送が求められる現場において、非常に重要な役割を果たしています。

関連項目

S/PDIF|S_PDIF'>S/PDIF|S_PDIF - 本規格を元にした民生用派生規格

外部リンク

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