AK-130

AK-130 130mm連装速射砲

AK-130は、1980年から艦船に搭載され始めた旧ソ連製の艦載砲システムです。この砲は、130mmの口径を持つ2門の砲を搭載する連装速射砲であり、艦隊戦や防空戦において重要な役割を果たしています。AK-130は、主にソヴレメンヌイ級やキーロフ級などの艦艇に装備されていることが特徴で、この武器の開発には多くの技術的挑戦が伴いました。

開発経緯

AK-130の開発は1967年に始まりました。当初は1135型クリヴァク級フリゲート用の単装砲として設計されていましたが、性能の問題から連装型に変更されました。この設計の変更は、砲塔の重量や要求性能に起因しており、初期の試作であるA-217型の単装仕様では従来の基準をクリアできなかったためです。最終的に、1976年からの試験を経て1980年に初めてソヴレメンヌイ級駆逐艦に搭載されることとなりましたが、完全な制式化は1985年に達成されました。

構造と機能

AK-130は、自動化された砲塔を有する130mm口径の両用砲システムです。この砲塔には、最大180発の即応弾薬が装填可能で、3つの異なるタイプの弾薬を瞬時に切り替えることができます。具体的には、F-44調整破片弾やZS-44対空弾を使用し、戦術や状況に応じた柔軟な対応が可能です。68%の装填自動化が実現されており、弾薬の補充も最大2発同時に行えるため、連続した発射が可能です。

また、砲身は水冷式で、これにより高い発射速度が保証されています。従って、アメリカのMk.42やイタリアの127/54コンパット砲と同様に高性能を誇りますが、AK-130はその口径の大きさと長射程で一線を画しています。

射撃指揮装置

AK-130は、アメチスト設計局が設計したMP-184射撃指揮装置と連携して機能します。この装置は、デュアルバンドレーダーやレーザー測距儀を備え、最長75kmの有効射程を実現しています。また、砲の最大射程を超える射撃指揮能力を持ち、その性能は多くの作戦において信頼性が高いとされています。

搭載艦船

この砲は、複数の艦艇に搭載されています。主要な搭載艦は以下の通りです：

• - キーロフ級ミサイル巡洋艦：後部に1基（2-4番艦）
• - スラヴァ級ミサイル巡洋艦：前甲板に1基
• - ウダロイII級駆逐艦：前甲板に1基
• - ソヴレメンヌイ級駆逐艦：前後にそれぞれ1基ずつ計2基

派生型と変種

AK-130にはさまざまな派生型があります。その一つに、A-222 130mm自走沿岸砲があります。これはAK-130の単装版であり、自走砲としての運用が可能です。このように、AK-130シリーズは旧ソ連の軍事技術の一端を担い、現在でも多くの艦船で活用されています。将来的に、これに代わる新しいシステムが登場するかは未知数ですが、その性能の高さから、長い間艦隊の強力な武器システムとして機能し続けることでしょう。

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