AN/SPS-52

AN/SPS-52: 先進的な艦載用3次元レーダー

AN/SPS-52は、アメリカ合衆国의 ヒューズ社が開発した艦載用の3次元レーダーです。このレーダーは、初の実用3次元レーダーであるAN/SPS-39|AN_SPS-39の進化形として知られ、防空システムであるターター・システムやテリア・システムと相互接続され、防空艦に搭載されています。

来歴

1950年代にヒューズ社は、周波数走査（FRESCAN）という電子的手法を確立しました。この技術により、3次元レーダーの開発が進みました。まず試作機としてAN/SPS-26が完成し、続いて1960年には実用機のAN/SPS-39|AN_SPS-39が海軍に引き渡されました。この初の実用3次元レーダーは、その後も改善が続けられ、1963年には最新のプレーン・アンテナを採用するなどの改良が施されました。

同年、さらなる性能向上のための改良策が検討され、これに基づいてAN/SPS-52の開発が進められました。その後、AN/SPS-52Bの小改良型を経て、1977年10月にはジョンズ・ホプキンズ大学応用物理研究所においてAN/SPS-52Cの地上テストが始まりました。1977年12月にはミサイル駆逐艦「タワーズ」で実用試験が行われ、1978年には実戦配備が可能であると判断されました。AN/SPS-52シリーズの生産は1989年に終了しています。

設計

AN/SPS-52の基本設計はAN/SPS-39|AN_SPS-39と同様で、垂直方向の走査はFRESCAN方式で行い、水平方向はアンテナ旋回による機械的な走査が特徴です。空中線部には、AN/SPS-39|AN_SPS-39シリーズIIIと同様のプレーン・アンテナが採用され、大型のSPA-72と小型のSPA-64が使用されています。

SPA-72は、直径約4.2メートルのプレーナアレイ・アンテナで、60本のスロットアンテナが組み合わさった設計です。アンテナは18度傾斜して取り付けられ、システム全体の重量はおおよそ1.4トンです。レーダーの送信機にはクライストロンが使われています。

情報処理にはそれぞれ異なるコンピュータが搭載されており、AN/SPS-52ではヒューズ社製のH3118、AN/SPS-52BではAN/UYK-15、AN/SPS-52CではAN/UYK-20が使用されました。特にAN/SPS-52Cには、射撃指揮装置に目標情報を伝達するためのAN/SYS-1 IADT（Integrated Automatic Detection and Tracking）が統合されています。

これらの改良により、信頼性も向上し、平均故障間隔（MTBF）が大幅に延びました。AN/SPS-39|AN_SPS-39では67.4時間だったのに対し、AN/SPS-52Bでは189時間、AN/SPS-52Cでは216時間に達しています。

搭載艦

AN/SPS-52は複数の防空艦に搭載され、その性能を発揮してきました。この技術は、同時代の他のレーダーシステムと比べて優れた能力を持ち、海軍の防空能力向上に大いに寄与しました。改善された性能と信頼性は、海上戦闘における重要な要素となっています。

関連項目

AN/SPS-48は、より大型の艦艇向けのレーダーであり、フレガート-MAはソ連製の同クラスの機器です。また、OPS-12は日本で開発された同様のレーダーとなります。イタリア製のRAN-40Lも同じく競合するシステムとして知られています。

もう一度検索