AN/SPS-67

AN/SPS-67は、アメリカ合衆国のノルデン（現ノースロップ・グラマン）社が開発した二次元レーダーであり、アメリカ海軍において対水上捜索用レーダーとして広く配備されています。その高精度な水上捜索能力は特筆すべきものであり、限定的ながら低空警戒や目標追尾能力も有しています。

AN/SPS-67は、AN/SPS-10の後継として開発され、そのソリッドステート版とも言える存在です。初期型ではAN/SPS-10と共通のアンテナを使用していました。マグネトロンはAN/SPS-55と共通化されています。本機は、将来レーダー用として策定された共通電子モジュール（SEM）を導入した初のレーダーであり、平均故障間隔（MTBF）は、SPS-10の150時間から600時間に大幅に延伸されました。

雨天や海面の波による電波反射（sea clutter）の影響を受けにくいのも特徴で、海面に浮遊するブイも確実に探知できます。

派生型

AN/SPS-67には、様々な派生型が存在します。

AN/SPS-67(V)1: 初期型であり、AN/SPS-10のアンテナを流用しています。これは、AN/SPS-10からのスムーズな移行を可能にするための設計でした。
AN/SPS-67(V)2: アンテナをリニアアレイ型の棒状アンテナに換装し、索敵・標的捕捉時の精度を向上させたモデルです。より精密な情報収集を可能にしました。
AN/SPS-67(V)3: デジタル式自動標的検出（ATD：Automatic Target Detection）機能や捜索中追尾（TWS）機能、移動目標識別（MTI）機能が追加された改良型です。アーレイ・バーク級ミサイル[[駆逐艦]]にのみ装備されています。
AN/SPS-67(V)4: 詳細については、現在情報が不足しています。
AN/SPS-67(V)5: -67(V)3の改良型であり、商用オフザシェルフ（COTS：Commercial-Off-The-Shelf）を取り入れています。従来型のシンセサイザー拡張モジュールを排し、VME（Versa Module Eurocard）ベースのCOTS方式新型プロセッサーを搭載した、シグナルプロセッサーユニットに換装されています。

関連項目

AN/SPS-55: レイセオン社製の同級機。Xバンドを使用し、対水上捜索・航法機能に特化しています。
OPS-28: 日本無線社製の同級機。

外部リンク

GlobalSecurity.org AN/SPS-67
FAS.org AN/SPS-67
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