AQIM

アル＝カーイダ機構（AQIM）について

アル＝カーイダ機構（AQIM）は、サラフィー・ジハード主義の組織であり、主にアルジェリアを拠点としてマグリブ諸国で活動しています。元々は2006年まで「説教と戦闘のためのサラフィー主義者集団」と名乗っていましたが、ウサーマ・ビン・ラーディンに忠誠を誓い、2007年に現在の形態に改組され、アル＝カーイダとの結びつきをより強調しています。AQIMはイスラーム国家の樹立を目指し、アルジェリア政府を転覆させることを目的とし、同時にスペイン、フランス、アメリカを攻撃対象として挙げています。これにより、西側諸国からは「国際テロ組織」として警戒されています。

活動の背景

AQIMは、1998年に設立された「武装イスラム集団」から変革を経て成立しました。設立当初、不満を抱いた指導者たちがハサン・ハッターブを中心に活動していました。設立時にはウサーマ・ビン＝ラーディンの影響があったとされ、アルジェリア国内で数々のテロ事件を引き起こしています。彼らのテロのターゲットは主に政府当局や軍の要人、重要施設であり、2003年には外国人32人を誘拐する事件も発生しました。

2004年、ナビール・サハラウィがリーダーに就任し、AQIMとの結びつきを強化しました。以後、組織は「アル＝カーイダの後方基地」として知られるようになり、2007年に再編成されました。この年には、アルジェリア首相公邸に対する自動車爆弾テロを引き起こし、同年末には最高裁判所や国連職員を狙った同時多発テロを実施しました。

国内外での影響力

AQIMはアルジェリア国境を超えて近隣諸国でも活動を拡大し、麻薬密売や恐喝、資金洗浄を通じて資金を確保しています。また、マリやニジェールでは、トゥアレグのイスラーム主義組織「アンサール・アッ＝ディーン」と連携を深めています。さらに、彼らはアメリカが主導する対テロ戦争の影響を受け、近隣国との共同対策が進められています。

活動の変遷と影響

改組以降、AQIMはアフリカ内外での動向を注視し、特にチュニジアのジャスミン革命やリビア内戦において反政府勢力を支援し、軍事介入を行っています。2011年には、リビアのカダフィ政権に対する介入が評価され、活動拠点をトンブクトゥに移すと共に世界遺産の破壊にも関与しました。2013年のフランスによる軍事介入により大きな打撃を受けましたが、その後もテロ事件を引き起こし続け、2016年にはワガドゥグでの襲撃で多くの死者を出しました。

2020年、フランス軍の掃討作戦により最高指導者が殺害されるなど、組織は危機的な状況に直面していますが、依然としてアルジェリアを中心とした活動を続けています。今後の行動や影響力の動向は国内外で注視されています。

結論

AQIMはマグリブ諸国におけるサラフィー・ジハード主義の主要な組織の一つとして、国際的なテログループとしての活動を展開しています。その影響力や行動は、地域の安全保障や国際関係にも重要な課題をもたらしています。

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