ARMホールディングス

ARMホールディングスについて



概要


ARMホールディングス(Arm Holdings plc)は、英ケンブリッジに本社を持つファブレス企業です。ソフトバンクグループがその90%近い株式を保有しており、現在ではプロトタイプ半導体の開発にも取り組んでいます。特に、同社の子会社であるARM Ltd.が開発したARMアーキテクチャは、低消費電力型のプロセッサとして、多くのデジタル機器に組み込まれています。著名なブランドであるRealViewやKEILなどのプログラミングツール、システム、プラットフォーム、およびSystem-on-a-chip基板とソフトウェアを提供し、技術分野で広く知られています。

歴史


ARMの始まりは1985年にさかのぼります。当初はエイコーン・コンピュータ、Apple Computer、VLSIテクノロジーの共同プロジェクトとしてスタートし、最初のプロセッサであるARM1を1985年に開発しました。1986年には製品版となるARM2が誕生し、1987年にはエイコーン社がこのプロセッサを搭載した初のパソコンである「アルキメデス」を市場に投入しました。

1990年には、エイコーン・コンピュータから技術者がスピンアウトし、VLSIテクノロジーとのジョイントベンチャーとしてAdvanced RISC Machines社が設立されました。この際にAppleが出資しており、ラリー・テスラーが初代CEOに就任しました。1993年には初の黒字化を達成し、1994年には東京に支社を開設しました。1998年には企業名をAdvanced RISC Machines Ltd.からARM Ltd.に変更し、ロンドン証券取引所およびNASDAQに上場を果たしました。

その後、ARMは機能の拡充を目指し、数多くの企業を買収していきました。2007年にはソフトバンクグループが240億ポンドで全株式を取得し、企業の成長を加速させました。最近の動きとしては、2020年にNVIDIAによる買収提案がありましたが、独占禁止法の懸念から実現には至りませんでした。2023年にはNASDAQに再上場し、注目を集めています。

ARMアーキテクチャ


ARMアーキテクチャは、多くのデジタルデバイスに使われるプロセッサ設計の基盤です。特に携帯機器ではその低消費電力が重宝されており、32ビットのCPUの中では75%以上のシェアを誇っています。このアーキテクチャは、Apple、ファーウェイ、サムスンなどの携帯電話メーカーに広く採用され、ゲーム機や家電製品、無線LAN機器にも使用されています。

さらに、近年では高性能なスパコンや自動運転用プロセッサなどでもその存在感を増しており、同業他社であるインテルへの競争を強めています。ARM社は、独自にプロセッサを製造せず、技術を知的財産権として各社にライセンス提供するモデルを採用しており、その後の製造はライセンスを受けた企業が行います。これにより、世界中の様々な企業がARMアーキテクチャを利用して製品開発を行っており、2020年にはARMに基づくチップの年間出荷数が29億に達しました。

企業名の由来


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