ARPU

ARPU（Average Revenue Per User）とは

ARPU（エーアールピーユー）は、Average Revenue Per Userの略で、電気通信事業者が契約者一人あたりから得る平均売上を示す指標です。日本語では「平均顧客単価」や「契約者あたり売上」などと訳されます。主に携帯電話事業において用いられますが、固定電話やインターネットサービスプロバイダなど、他の通信事業でも利用されることがあります。

ARPUの概要

一般的に、ARPUは1ヶ月単位で算出されることが多く、その場合、月額利用料金とほぼ同義となります。ただし、ナビダイヤルの通話料金やコンテンツ情報料など、他社が徴収代行している料金は含まれません。ARPUは事業者の業績を評価する上で非常に重要な指標の一つとされており、収益性を測る上で欠かせない要素です。

ARPUの種類

ARPUは大きく分けて「音声ARPU」と「データARPU」の2種類があります。

音声ARPU: 基本料金と通話料を合計した、音声通話に関する料金を指します。
データARPU: 基本料金とデータ通信料を合計した、データ通信に関する料金を指します。

これらを合算したものを「総合ARPU」と呼び、単にARPUと表記されている場合は、通常この総合ARPUを指します。近年では、音声ARPUの伸び悩みから、データARPUの拡大が各社の重要な課題となっています。

ARPUとAMPU

事業者の業績評価においては、ARPUだけでなく、AMPU（Average Margin Per User：1契約あたりの月間粗利益）も重視すべきだという意見もあります。AMPUは、ARPUから原価や各種コストを差し引いたもので、より事業の実態を表す指標とされています。

各国のARPU状況

以下に、主要な国におけるARPUの状況を示します。

日本

日本の大手携帯電話キャリア3社（NTTドコモ、au、ソフトバンク）の平均ARPUは、2004年度には総合7,005円、データ1,822円でしたが、2008年度には総合5,425円、データ2,209円と、音声ARPUの低下に伴い総合ARPUが減少しました。各社は、有料コンテンツや大容量データプランの拡充に注力し、データARPUの拡大を図っています。

中国

中国のARPUは、2006年度には平均77人民元でしたが、2009年度には平均69人民元に減少しました。これは、プリペイド契約ユーザーが多く、競争激化により価格が低下しているためと考えられます。

韓国

韓国では、3社の携帯電話キャリアが競合しており、2008年第2四半期の平均ARPUは約41,100ウォンです。

インド

インドのARPUは、2008年度時点でGSM携帯が約220ルピー、CDMA携帯が約110ルピーとなっています。

アメリカ

アメリカのARPUは、2009年度で約48.65ドルと、1990年代から大きな変化は見られません。

ヨーロッパ

ヨーロッパのARPUは、国によって大きな差が見られます。例えば、フランスでは2007年度で約55ユーロ、ドイツではT-mobileが2009年度で約14.89ユーロとなっています。

まとめ

ARPUは、通信事業者が収益性を評価する上で重要な指標であり、市場動向や競争状況を分析する上で欠かせないものです。特に、携帯電話業界では、音声ARPUの低下を補うために、データARPUの拡大が重要な課題となっています。また、ARPUだけでなく、AMPUのような利益を考慮した指標も重要視されています。

参考文献

（参考文献のリストは、必要に応じて追加してください）

関連項目

携帯電話
PHS

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