AS Val

AS（特殊自動小銃）

ASは、ソ連が1980年代に開発した特殊自動小銃で、主にスペツナズ（特殊部隊）向けに設計されました。愛称は「ヴァル」と呼ばれ、特にゲリラ作戦や隠密作戦に適した性能を持っています。この銃は、TsNIITochMashによって開発され、主にペテロ・セルジェコフとバルディミール・クラスコフが設計を担当しました。

特徴

ASの一番の特徴は、非常に効率的な消音サプレッサーです。このサプレッサーは銃のレシーバー先端から銃口前方にかけて銃身全体を覆う形で装備されています。この設計により、射撃時の銃声とマズルフラッシュが極限まで抑えられ、隠密行動を必要とする特殊部隊に特に重宝されるのです。

銃の基本的な設計はAK-47に類似しており、ガス圧を利用した作動メカニズムを採用しています。ボルトは回転し、銃身と密着するロッキング方式を採用しており、特に6個のマイクロ・ロッキング・ラグが搭載されています。撃発機構は一般的な回転式ハンマーではなく、前後に直線運動を行うストライカーによって行われます。

ASは9x39mmという特別な弾薬を使用します。この弾薬は、通常のAK-47が使用する7.62x39mm弾に近い形状を持ちながら、口径が9mmへと大きく、より重い弾を発射します。弾の発射速度は亜音速で、これによりサプレッサーの消音効果を最大限に引き出すことができます。9x39mm弾は400mの有効射程を持ち、厚さ5mmの鋼鉄板を貫通する能力があります。また、100m以内であれば軍用防弾チョッキも貫通できるため、その攻撃力は非常に高いと言えます。

派生型

ASにはいくつかの派生型が存在します。例えば、ASMはロシア軍に採用されたASの近代化モデルで、GRAUコード6P30Mが付与されています。ASMは、ハンドガードの前方に3面のピカティニーレールを追加し、レシーバーカバーの上にもレールが取り付けられるなど、様々なオプションが提供されています。このため、ドブテイルマウント以外の照準器も装着可能です。また、ASMでは今まで装着されていなかった標準照準器として1P86が追加されました。

さらに、SR-3「ヴィーフリ」はASの派生型として1994年に開発されたアサルトカービンです。SR-3では従来のVSSおよびAS用のマガジンを使用することができ、銃床はレシーバー上側に折りたたむデザインに変更されています。また、内蔵型サプレッサーは省略されています。SR-3にはSR-3MやSR-3MPなどのバリエーションもあります。

ASがベースとなったVSS「ヴィントレス」は消音狙撃銃としても知られています。これらの銃は、特殊部隊や特定の任務において重要な役割を果たしており、そのデザインや機能において革新性を提供しています。

関連項目

• - 自動小銃
• - AK-47
• - サプレッサー
• - スペツナズ
• - アルファ部隊
• - ロシア連邦保安庁
• - ロシア内務省

外部リンク

• - Tulsky Oruzheiny Zavod
• - Modern Firearms

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