ASKA the BEST Selection 1988-1998

『ASKA the BEST Selection 1988-1998』（アスカ・ザ・ベスト・セレクション 1988-1998）は、シンガーソングライターASKAがソロ名義で発表した初めてのベストアルバムです。

この作品は1999年3月31日に東芝EMIより発売され、その後2001年4月18日に再発売もされています。ASKAのソロ活動の軌跡を辿る上で重要な位置づけとなる本作には、1987年のソロデビューシングル「MY Mr.LONELY HEART」から、1998年にリリースされたアルバム『kicks』までの期間に発表された楽曲の中から、選りすぐりの14曲が収められています。

アルバムに収録されている楽曲の多くは、発表当時のシングルバージョンではなく、オリジナルアルバムに収録されたバージョンが採用されています。例えば、「MY Mr.LONELY HEART」や「MIDNIGHT 2 CALL」は1stアルバム『SCENE』バージョン、「はじまりはいつも雨」やそのカップリング曲「君が愛を語れ」、「晴天を誉めるなら夕暮れを待て」はそれぞれアルバム『SCENE II』、『NEVER END』に収められたバージョンがセレクトされています。一方で、1997年のシングル「ONE」のカップリング曲だった「着地点」は、このベストアルバムで初めて公式にアルバム収録されました。

本作の特筆すべき点として、アルバム『SCENE II』に収録されていた「止まった時計」が、このベストアルバムのために新たなアコースティック・アレンジでレコーディングされ、「止まった時計 new version」として収録されていることが挙げられます。原曲とは異なる柔らかな響きを持つこのバージョンは、ファンにとって嬉しいサプライズとなりました。

また、このベストアルバムの発売に際して制作されたテレビCMでは、長年音楽活動を共にしているCHAGEがナレーションを担当し、大きな話題を呼びました。

付属のブックレットも豪華な内容です。収録全曲の歌詞はもちろんのこと、「ASKA Secret History 1958-1979」と題された貴重なセクションが設けられています。ここでは、ASKAの誕生から、CHAGE and ASKAとしてデビューする1979年までの生い立ち、幼少期から青年期にかけてのエピソードが詳細に記述されており、アーティストのバックグラウンドを知るための貴重な資料となっています。

本作に収録された楽曲は以下の通りです。（オリジナルリリース情報と共に記します）

MY Mr.LONELY HEART: 1987年のソロデビューシングル。本作には1988年の1stアルバム『SCENE』収録バージョンを採用。
MIDNIGHT 2 CALL: 1988年の2ndシングル。こちらも同年リリースの1stアルバム『SCENE』収録バージョンで収録。
伝わりますか: 1988年リリースの1stアルバム『SCENE』収録曲。
はじまりはいつも雨: 1991年の3rdシングル。本作には同年リリースの2ndアルバム『SCENE II』収録バージョンを収録。
君が愛を語れ: シングル「はじまりはいつも雨」のカップリング曲。アルバム『SCENE II』収録バージョンで収録。
けれど空は青 〜close friend〜: 1991年の2ndアルバム『SCENE II』収録曲。
Love is alive: 同じくアルバム『SCENE II』に収録。岩崎宏美とのデュエット曲。
晴天を誉めるなら夕暮れを待て: 1995年の4thシングル。本作には同年リリースの3rdアルバム『NEVER END』収録バージョンを収録。
月が近づけば少しはましだろう: 1995年の3rdアルバム『NEVER END』収録曲。
着地点: 1997年の6thシングル「ONE」のカップリング曲。本作でアルバム初収録となりました。
ID: 1997年の5thシングル曲。
同じ時代を: 1998年の5thアルバム『kicks』収録曲。
Girl: 1998年の7thシングル曲。
止まった時計 new version: アルバム『SCENE II』収録のオリジナル曲を、このベストアルバムのために新たにアコースティック・アレンジでレコーディングしたバージョンです。

『ASKA the BEST Selection 1988-1998』は、ASKAのソロキャリア初期から中期にかけての代表曲を網羅し、ファンはもちろん、ASKAのソロワークを初めて聴くリスナーにも彼の世界観を伝える入門編としても最適な一枚と言えるでしょう。

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