AiBrowser

aiBrowser（アイブラウザー）は、日本IBMによって開発され、オープンソースで公開されている音声ブラウザです。2007年にリリースされました。このブラウザは、視覚障害を持つ人々がインターネット上の動画などのマルチメディアコンテンツに、より簡単にアクセスできるようにすることを目的に開発されました。特に、Adobe FlashやダイナミックHTMLといった、動的なウェブコンテンツへの対応に重点が置かれています。

単独でも音声ブラウザとして機能しますが、メニューやダイアログの読み上げ機能は備えていないため、Microsoft Narratorやスクリーンリーダーなどの他の支援システムとの併用が推奨されます。aiBrowserという名称は、IBM Accessibility Internet Browser for Multimediaの略称です。開発には、IBMフェローであり、ホームページリーダーの開発者として知られる浅川智恵子氏や、Meadowの開発者として著名な宮下尚氏も参加しています。

IBMが先行して開発したホームページリーダーは、ウェブサイト上の静的な情報を扱うことに特化していましたが、aiBrowserは動的な情報の取り扱いを目指して開発された点が特徴です。

aiBrowserの概要

近年、インターネットサイトでは音声や動画などのマルチメディアコンテンツが増加しています。aiBrowserは、視覚障害者がこれらのコンテンツを快適に利用できるように開発されました。通常、ウェブサイトに埋め込まれた動画などのマルチメディアコンテンツは、マウス操作でのみ利用可能ですが、aiBrowserはサイト上のコンテンツを解析し、マルチメディアコンテンツへの直接アクセスと操作を可能にします。

例えば、YouTubeなどの動画サイトでは、マウスを使用せずにショートカットキーで音量調整、再生、停止などの操作を簡単に行うことができます。また、従来のスクリーンリーダーや音声ブラウザでは、文章の読み上げ音声とサイトの音楽の音量を個別に制御することが困難でしたが、aiBrowserはマルチメディアオーディオ制御機能を搭載しており、それぞれの音量を個別に調整できます。

画像や動画などの視覚情報が多いコンテンツは、スクリーンリーダーでは読み上げられるテキスト情報が限られている場合があります。aiBrowserは、ユーザーが代替テキストや見出しを追加できる注釈機能を提供しています。この機能を利用することで、ユーザー自身やボランティアが代替テキストや見出しを注釈として追加し、視覚情報に頼らずにマルチメディアコンテンツを操作できるようになります。

さらに、aiBrowserはJAWSなどのスクリーンリーダーと連携して動作させることが可能で、JAWSが読み上げているかのように操作することもできます。

現在、aiBrowserのソースコードは「エクリプス財団」に寄贈されており、当該プロジェクトによって開発が続けられています。

対応OS・スクリーンリーダー

aiBrowserは、Microsoft Windows OSに対応しており、Microsoft Windows XP以降のバージョンで動作します。スクリーンリーダーはJAWS 7.10以上、Window-Eyes 5.5以上に対応しています。

リリース履歴

（リリース履歴に関する具体的な情報は提供されていません。）

脚注

（脚注に関する具体的な情報は提供されていません。）

関連項目

• - アクセシビリティ
• - バリアフリー
• - 音声合成
• - ホームページリーダー
• - IEコンポーネントブラウザ
• - aDesigner

外部リンク

• - aiBrowser（製品情報)

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