Alneo

alneo（アルネオ）とは

alneo（アルネオ）は、日本ビクター（現JVCケンウッド）が2005年から2010年まで展開していたデジタルオーディオプレーヤーのブランドです。「いつでも新しい」を意味する「always neo」を由来とする造語で、高音質技術と使いやすさを両立させた製品として登場しました。2005年6月の発売当初はブランド名が未定でしたが、同年9月発売のXA-HD500から「alneo」ブランドが使用されました。

型番の「XA」は、2001年に発売されたSDオーディオプレーヤーXA-SD1から引き継がれたもので、alneoは同社にとって4年ぶりのデジタルオーディオプレーヤー市場への再参入でした。

特徴

alneoの最大の特徴は、高音質へのこだわりです。WMAやMP3などの圧縮音源はCDに比べて音質が劣化しやすいという課題に対し、日本ビクターが培ってきたオーディオ技術を投入。上位機種にはK2テクノロジー、入門機種には18bit Σ⊿ D/Aコンバーターを搭載し、高音質再生を実現しました。

また、多くのMP3プレーヤーが専用ソフトでのファイル転送を必要とする中、alneoはWindowsエクスプローラでのドラッグ&ドロップによるファイル転送とフォルダ管理を可能にし、使いやすさも追求しました。さらに、上位機種ではWMA10に対応し、Napster To Goサービスも利用できました。

事実上の撤退

alneoシリーズは、初期モデルで「パソコンなしでCDやMDからダイレクト録音可能」という点をアピールしていました。しかし、他社製品に比べて知名度と人気が伸びず、販売不振が続きました。最終シリーズでは、ダイレクト録音機能を廃止し、同社製Memory COMPOシリーズとの連携を強化しましたが、状況は改善しませんでした。

2009年4月に最上位機種XA-V80の生産が終了し、他のモデルも順次生産を終え、現在は全機種が生産完了となっています。公式サイトからも製品情報が削除され、特設サイト「alneo style!」も閉鎖されました。

ビクターは正式な撤退発表は行っていませんが、事実上撤退状態です。同社は「他社との競争に対抗できず、開発を中断している」としています。2009年10月には、後継機種ではないものの、型番に「XA」が付いたポータブルデジタルレコーダー「レッスンマスター XA-LM1」が発売されました。

ラインナップ

現在は全機種が生産終了しています。

Mシリーズ（XA-M10/XA-M20/XA-M40）

2008年 9月上旬に発売された廉価版モデル。内蔵メモリ容量は1GB（XA-M10）、2GB（XA-M20）、4GB（XA-M40）。カラーバリエーションはブルー、ブラック、レッド、ホワイト、ピンクゴールド。Vシリーズと同系統のデザインで、操作キーの形状が若干異なる。MP3、WMA、WAVの再生に加え、FMチューナーやモノラルマイクを搭載し、録音機能も重視されている。動画再生には非対応。6行表示のモノクロ有機ELディスプレイを採用。Memory COMPOの専用ドック「アルネオドック」に接続することで、再生、データ転送、録音などが可能。2011年現在、alneoシリーズの最終機種。生産終了時期はXA-M10が2010年 3月、XA-M20が2009年8月、XA-M40が2009年10月。

Vシリーズ（XA-V20/XA-V40/XA-V80）

2008年 7月1日発売。内蔵メモリ容量は2GB（XA-V20）、4GB（XA-V40）、8GB（XA-V80）。K2テクノロジー搭載の高音質モデル。MP3、WMA、WAVの再生に加え、動画再生 (WMV) に対応。ディスプレイにはTFT液晶を採用。サウンド調整機能が充実し、重低音再生機能「D-AHB1/D-AHB2」などを搭載。Memory COMPOとの連携も可能。AAC機能追加サービス終了に伴い、AACファイル対応ファームウェアの公開は終了。alneoシリーズの人気機種で、一部からは「最後の名機種」とも呼ばれている。生産終了時期はXA-V20が2009年9月、XA-V40が2009年8月、XA-V80が2009年4月。

Cシリーズ（XA-C210/XA-C110/XA-C51）

内蔵メモリ容量は2GB（XA-C210）、1GB（XA-C110）、512MB（XA-C51）。MP3、WMA、AAC、WAVの再生に加え、FMチューナーやステレオマイクを搭載し、録音機能も重視されている。リニアPCM録音対応、スピードコントロール再生、ギャップレス再生機能搭載。

Sシリーズ（XA-S208/XA-S108）

内蔵メモリ容量は2GB（XA-S208）、1GB（XA-S108）。スティック状のスタイリッシュモデル。4桁表示のモノクロ有機ELディスプレイ搭載。MP3、WMAの再生に加え、MP3によるダイレクトレコーディング機能・ADPCMによるボイスレコーディング機能を搭載。USB2.0ハイスピードに対応。

Cシリーズ（XA-C109/XA-C59）

内蔵メモリ容量は1GB（XA-C109）、512MB（XA-C59）。CCコンバーター、カラー有機ELディスプレイを搭載。ファームウェアアップデートにより、USBデジタルメディアストリーミング機能が追加。

Fシリーズ（XA-F112/XA-F52）

内蔵メモリ容量は1GB（XA-F112）、512MB（XA-F52）。スティック状のスタンダードモデル。MP3、WMAの再生に加え、MP3によるダイレクトレコーディング機能・ADPCMによるボイスレコーディング機能を搭載。単4ニッケル水素蓄電池に正式対応。

Eシリーズ（XA-E55/XA-E105/XA-E53/XA-E103）

内蔵メモリ容量は512MB（XA-E55/XA-E53）、1GB（XA-E105/XA-E103）。スタイリッシュモデル。XA-E55及びXA-E105はFMチューナー、ボイスレコーディング機能を搭載。全機種ダイレクトレコーディング対応。

XA-HD500

6GBのHDDを搭載したスタジオチューニングモデル。MP3、WMAの再生に対応。CCコンバーターを搭載。同社カーオーディオとの連携機能も搭載。

MPシリーズ（XA-MP100/XA-MP50/XA-MP20/XA-MP101/XA-MP51）

内蔵メモリ容量は1GB（XA-MP100/XA-MP101）、512MB（XA-MP50/XA-MP51）、256MB（XA-MP20）。スクエアモデル。MP3、WMAの再生に対応。XA-MP101及びXA-MP51はFMチューナー、ボイスレコーディング機能を搭載。単4乾電池対応。全機種ダイレクトレコーディング対応。

XA-AL55

内蔵メモリ容量は512MB。耳掛けアームレスヘッドホンタイプのデジタルオーディオプレーヤー。単4乾電池対応。