Apache Roller

Apache Roller（アパッチ・ローラ）は、Javaを基盤とするオープンソースのブログサーバーソフトウェアです。このソフトウェアは、複数のブログとユーザーを同時に管理できる多機能性を備えており、Apacheプロジェクトの一つとして開発が進められています。

歴史

Rollerの起源は、2002年にDave Johnsonによって書かれたツールに遡ります。当初は雑誌記事のために作成されたものでしたが、FreeRoller.net（現在のJRoller.com）で人気を博し、その後、サン・マイクロシステムズやIBMのdeveloperWorksブログで採用されました。2005年には、Apache Incubatorプロジェクトとして正式に採択され、その後、バージョン3.1からはApache Software Foundationの公式プロジェクトとして、その地位を確立しています。開発者であるDave Johnson氏は、現在CloudBeesに所属しています。

特徴

Rollerは、Java Servletの特性を活かし、非常に柔軟な動作環境を提供します。公式なインストールガイドでは、Java SE 5以上、Apache Tomcat 5.5以上、またはSun Web Server 7.0、Project GlassFish 2.0、そしてMySQLまたはApache Derbyを推奨していますが、Servlet 2.4に準拠していれば、他のWebコンテナでも動作可能です。

データベースに関しては、MySQLとApache Derbyが推奨されていますが、PostgreSQL、IBM DB2、Oracle、HSQLDBなどの設定スクリプトも用意されています。OSについても、上記のコンテナ環境とデータベースソフトウェアが動作すれば、特に制限はありません。バージョン4.0からは、Project GlassFishを使用する場合、同ソフトウェアのアップデートツールを利用することで、非常に簡単なインストールが可能になりました。

Rollerは動的にページを生成するため、サイトの再構築は不要です。多数のテンプレートが用意されており、カスタマイズやオリジナルのテンプレート作成も可能です。テンプレートはHTMLと独自のマクロで構成されており、エディタも同梱されていますが、JSPの知識があれば独自のものを開発することもできます。内部的にはUTF-8を採用しているため、国際化対応も容易で、多言語対応も可能です。

Rollerの大きな特徴として、以下の点が挙げられます。

1人のユーザーが複数のブログを作成、更新、管理できる。
1つのブログを複数人で更新できる。
ブログの投稿・設定権限を細かく設定できる。
下書きのみ可能な「Limited」権限
下書きと投稿が可能な「Author」権限
投稿とブログ設定が可能な「Admin」権限
サービス全体の管理者特権
エントリーごとにコメントの投稿制限や期限を設定できる。
特定の言語向けの記事を作成できる（バージョン3.0から）。

バージョン3.1では、以下の機能が追加されました。

キーワードタグ
Xinhaベースのエントリーエディタ
フルプレビュー機能
コメント削除機能の強化
ファイルアップロードにおけるフォルダ機能のサポート

また、現行版ではLDAPのサポートも組み込まれています（設定が必要）。

バージョン5.0（2009年10月リリース）では、以下の機能が追加されました。

OpenIDのサポート。
ビデオ、画像、音声ファイルの簡単なアップロード・管理機能。
マルチドメインのサポート。
ブログ所有者による他人のコメント編集機能。
OAuthのサポート。

関連情報

Apache Tomcat
ブログ
Javaプラットフォーム

外部リンク

公式サイトは英語ですが、一部のサイトでは日本語ドキュメントも提供されています。

Apache Roller 公式サイト
Apache Project
Java.net Support Project
Dave Johnsonのブログ

Rollerを採用しているサイト

JRoller
IBM developerWorks blogs
blogs.sun.com
NetBeans.jp

もう一度検索