Mac mini

Mac mini: コンパクトでパワフルなデスクトップPC

Mac miniは、Appleが開発・販売している小型デスクトップパソコンです。その特徴は、コンパクトなサイズと手頃な価格でありながら、パワフルな性能を発揮することです。

概要

Mac miniは、最小限のサイズとシンプルなデザインを追求したデスクトップパソコンです。ディスプレイ、キーボード、マウスは別売りで、ユーザーは自分の好きなものを使用できます。このコンセプトは、Apple CEOのスティーブ・ジョブズによって「BYODKM」（Bring Your Own Display, Keyboard and Mouse）と表現されました。

2024年モデルでは、大幅なデザイン変更が行われ、より小型・軽量化されました。サイズは幅12.7cm × 奥行き12.7cm × 高さ5.0cm、重さは0.67〜0.73kgと、非常にコンパクトです。一方、2010年から2023年モデルは、幅19.6cm × 奥行き19.6cm × 高さ3.6cm、重さ1.2kgでした。

Mac miniの筐体は、1枚のアルミ合金板から削り出されたユニボディで、継ぎ目がありません。また、環境にも配慮し、アルミ合金は100%、プラスティックは60%リサイクル原料を使用しています。

歴史

初代モデルからIntelプロセッサ搭載へ

2005年1月11日、Macworld Conference & Expoで初めて発表されたMac miniは、当時、CDジャケットよりも少し大きい程度のサイズと、Mac史上例のない低価格で大きな話題となりました。初期モデルにはPowerPC G4プロセッサが搭載され、iLifeソフトウェアやゲームが付属していました。

2006年にはIntelプロセッサを搭載したモデルが登場し、Appleは同日販売を開始しました。これにより、Mac miniの性能が大幅に向上しました。その後も、Core Duo、Core 2 Duoプロセッサを搭載したモデルが発表され、性能が強化されていきました。

ユニボディデザインと進化

2010年 6月15日には、発売以来初となるデザイン刷新が行われ、アルミニウムのユニボディが採用されました。これにより、Mac miniはより薄くなり、電源内蔵となりました。また、ユーザによるメモリの増設が容易になり、HDMI出力やSDXC対応のSDメモリーカードスロットが追加されました。

2011年には、インターネット復元機能に対応したモデルが登場し、Sandy BridgeアーキテクチャのIntel Core i5、Intel Core i7プロセッサとThunderboltを搭載しました。このモデルから、全モデルで光学ドライブが廃止されました。

その後も、Ivy Bridge、Haswell Refreshアーキテクチャのプロセッサを搭載したモデルが発売され、USB3.0ポートやThunderbolt 2が追加されました。しかし、2014年モデルでは、メモリが基板にハンダ付けされ交換が不可となる仕様変更が行われました。

デスクトップ仕様CPUとAppleシリコン

2018年モデルでは、デスクトップパソコン仕様のCPUが採用され、内蔵SSDが標準搭載されました。これにより、Mac miniはiMacとほぼ同等以上の性能を発揮できるようになりました。また、メモリは交換可能なモジュラー方式に戻されましたが、交換には本体の分解が必要となりました。

2020年モデルでは、自社製チップのAppleシリコン（Apple M1）が搭載されました。これにより、Mac miniはさらなる高速化と省電力化を実現しました。

2023年モデルでは、Apple M2およびApple M2 Proチップが搭載され、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3に対応しました。また、Apple M2 Proモデルには、4つのThunderbolt 4ポートと8K解像度対応のHDMI 2.1ポートが搭載されました。

仕様

Mac miniは、外部電源モデルとユニボディモデルの仕様があります。

外部電源モデル

- PowerPC G4プロセッサ
- 最大1GBのDDR SDRAM
- ATI RADEON 9200グラフィックス
- Ultra ATAハードディスク
- FireWire 400、USB 2.0ポート
- 10/100BASE-T イーサネット

ユニボディモデル（電源内蔵）

- Intel Core 2 Duoプロセッサ
- 最大8GBのDDR3 SDRAM
- Nvidia GeForce 320Mグラフィックス
- SATAハードディスク
- FireWire 800、USB 2.0ポート
- HDMI、mini DisplayPort出力
- 10/100/1000BASE-T ギガビットEthernet

小型ユニボディモデル（電源内蔵）

- Apple M1/M2/M4プロセッサ
- Thunderbolt/USB4ポート
- HDMI 2.1ポート
- Wi-Fi 6E/Bluetooth 5.3
- 10/100/1000BASE-T ギガビットEthernet

歴代バリエーション

Mac miniは、これまで様々なモデルが発売されてきました。CPU、メモリ、ストレージ、グラフィックスなど、各モデルによってスペックが異なっています。詳細なスペックについては、前述の通りです。

まとめ

Mac miniは、コンパクトでパワフルなデスクトップPCとして、多くのユーザーに支持されています。その進化の歴史は、技術革新とデザインの追求の軌跡であり、今後もさらに進化していくことが期待されます。BYODKMのコンセプトを維持しながら、より高性能で使いやすいデスクトップPCとして、Mac miniは今後も注目されていくでしょう。

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