Apple Books

Apple Books（旧称iBooks）は、Appleが開発した電子書籍アプリケーションです。iOSデバイス（iPhone、iPad、iPod touch）とmacOS（10.9以降）を搭載したMacで利用できます。2010年1月にiPadと共に発表され、その後、iPhoneやiPod touchにも対応しました。当初はプリインストールされていませんでしたが、iOS 8から標準アプリとなりました。

歴史

2010年1月、iPadの発表と同時にiBooksが発表されました。iBooks Storeは、iPadの発売に先立ち、アメリカでオープンしました。これは、過去のiPhone発売時にサーバーに負荷が集中した教訓から、発売前の準備期間を設けたものです。2010年3月には、約6万冊の書籍を取り揃え、本格的にサービスを開始しました。

同年4月、iOS 4へのアップデートにより、iBooksはiPhoneとiPod touchにも対応しましたが、初代iPhoneとiPod touchは対象外となりました。同年6月には、PDFファイルの読み込みと注釈機能が追加され、7月にはカナダでも利用可能になりました。

旧機種での動作の遅さが批判されたため、Appleは修正アップデートを行いました。2011年には、アイルランドでもプレミアムストアが利用可能になり、2012年には、インタラクティブな読書が可能なiBooks 2がリリースされました。同時に、教科書作成アプリiBooks Authorと教科書カテゴリも追加されました。

その後も、iBooks 3の発表、Mac版のリリース、そして2018年には名称がApple Booksへと変更されました。

機能

Apple Booksは、18の言語に対応しており、フォントやテキストサイズを調整できます。豊富なフォントが利用可能で、画面の明るさも細かく調整できます。書籍内検索、辞書機能、ハイライト、メモなどの機能も備わっています。

表示テーマは、ノーマル、セピア、ナイトの3つから選択できます。レイアウトも、ブック、フルスクリーン、スクロールの3つから選ぶことができます。特にブックレイアウトでは、紙の書籍をめくるようなアニメーションが再現されます。

対応形式

Apple Booksは、ePubとPDF形式に対応しています。また、iBooks Authorで作成された独自のiBookフォーマット（IBA）にも対応しています。IBA形式は、ePubをベースにしていますが、Apple Booksのカスタムウィジェットコードに依存しています。

Apple Books Store

Apple Books Storeは、ePub形式の電子書籍をダウンロード販売するシステムです。iOSデバイスとMacで購入した書籍は、端末間で同期して読むことができます。主要な出版社が書籍を提供しており、プロジェクト・グーテンベルクからの無料書籍も利用できます。

iPad発表時に、ペンギンブックス、ハーパーコリンズ、サイモン＆シュスターなどの大手出版社が書籍を提供することが発表されました。

論争

Apple Booksのインターフェースが、別のアプリの模倣であるとの指摘があります。また、iBooks Authorで作成されたファイルは、Appleでの販売承認がないと有料販売できません。EPUB形式についても、完全な互換性がないという指摘があります。

商標問題

Appleは「iBook」という商標の侵害で訴えられたことがあります。これは、過去に同名の商標を使用していた出版社によるものです。Appleも過去に同名の製品を販売していましたが、電子書籍の分野では、別の企業が先に商標を登録していたようです。

Apple Booksは、電子書籍を読むための便利なアプリです。豊富な機能とストアによる快適な読書体験が魅力です。

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