Ar 196 (航空機)

アラド Ar 196

アラド Ar 196は、第二次世界大戦中にドイツ海軍の艦載用として設計された水上機です。この機体は、1937年に初飛行し、双フロート式の単発低翼機として知られています。当初は複葉のハインケルHe 60の代替として開発されました。

開発の経緯

1936年、ドイツ航空省はHe 60の後継機としてフォッケウルフ社とアラド社に新型水上機の開発を依頼しました。アラド社は、当時としては革新的な単葉型のデザインを提案し、これが採用されました。試作機は1937年から1938年にかけて製作され、その中の2機が双フロート式の原型Ar 196Aに、3機が単フロートで補助フロートを持つAr 196Bに仕上げられました。

テストの結果、それぞれの形式に特有の利点があることが分かりましたが、安定性に優れる双フロート式が最終的に選ばれ、生産が決定されました。機体の構造は、前半部が金属張りで後半部が羽布張りという形状で、全体の胴体には鋼管フレームが使用されました。正式な生産は1938年11月に始まり、戦争中にはフランスやオランダの工場でも生産が行われ、合計で500機以上が製造されました。

戦歴と使用

Ar 196はカタパルト装備を備えた艦船に搭載され、主に偵察や観測任務を遂行しました。特筆すべきは、ドイツ戦艦「グラーフ・シュペー」と「アドミラル・シェーア」での運用であり、特に南大西洋での活動が記録されています。また、沿岸基地からの対潜水艦攻撃や哨戒任務でも活躍しました。

ただし、「アドミラル・グラーフ・シュペー」に搭載されていた機体はトラブルが多く、結果として艦の索敵能力を充分に発揮できなかったこともあります。1942年にはデンマーク沖でイギリスの潜水艦「シール」を捕獲する成功例もありました。この時、二機のAr 196が浮上した潜水艦を攻撃し、その結果として潜水艦は大きな損傷を受け、最終的にはドイツ軍の掃海艇に引き渡されました。このように、Ar 196が敵艦艇を捕獲する特殊な事例となりました。

現存機体

現在もノルウェーの湖やエーゲ海などにいくつかのAr 196が沈没した状態で残っています。

要目

• - 乗員: 2名
• - 全長: 11.00 m
• - 全幅: 12.47 m
• - 全高: 4.42 m
• - 翼面積: 28.40 m²
• - 空虚重量: 2,090 kg
• - 全備重量: 3,720 kg
• - エンジン: BMW 132K 空冷エンジン 960 HP (716 kW)
• - 最高速度: 309 km/h（高度4,000 m）
• - 航続距離: 1,072 km
• - 最高到達高度: 7,010 m
• - 武装: 20mm MG FF/M機関砲×2、7.92mm MG17機銃×1、7.92mm MG15機銃×1、50kg爆弾×2

登場作品

• - ゲーム:

1. 『War Thunder』では、特別イベントの報酬として登場。
2. 『艦隊これくしょん -艦これ-』では、日本軍向け改修型として架空の「Ar196改」が登場しています。

関連項目

• - 水上機一覧
• - 偵察機・哨戒機の一覧
• - Ar 95

このようにアラド Ar 196は、海軍の艦載機として多くの歴史的役割を果たし、技術的にも興味深い点が多数存在します。

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