Ardour
Ardourは、ハードディスクレコーダーとデジタルオーディオワークステーション（DAW）の機能を統合した、プロフェッショナル向けのアプリケーションです。このソフトウェアは、Windows、macOS、Linux、FreeBSDといった多様なOSで動作し、幅広いユーザーに利用されています。主な開発者はPaul Davisで、彼はJACK Audio Connection Kitの開発者としても知られています。Ardourは、自由ソフトウェアとしてGPL-2.0-or-laterのライセンスで提供されており、その柔軟性と機能性の高さから、プロの現場でも広く採用されています。
録音
Ardourの録音能力は、使用するハードウェアの性能に依存しますが、録音可能なトラック数に制限はありません。既存の素材に重ねて録音する際には、レイテンシ補正機能によりタイミングのズレを解消できます。モニタリングに関しては、外部ハードウェアのモニタリング、Ardour内部でのモニタリング、そしてJACKを介したモニタリングの3種類が可能です。特にArdourのモニタリング機能を使うと、録音中の信号にリアルタイムでエフェクトを適用することができます。また、JACKオーディオサーバーを利用することで、サウンドカードだけでなく、ソフトウェアシンセサイザーやオーディオエフェクトホストなど、JACK互換のソフトウェアからの同時録音も可能です。さらに、JACKの新バージョンでは、IPネットワークを介した音声転送も可能になり、オーディオインターフェースとArdourを別々のハードウェアで運用することもできます。
ミキシング
Ardourは、トラックとバスの数に制限がなく、非常に柔軟なルーティングシステムを備えています。ゲイン、パン、プラグインのパラメーターはすべて自動化でき、ミキシング時の自由度を高めます。内部処理は32ビット浮動小数点数で行われるため、高い精度と広いダイナミックレンジが確保されています。
編集
Ardourでは、サンプル単位での精密な編集が可能で、録音範囲のドラッグ、トリミング、タイムストレッチなどが行えます。録音範囲のレイヤー化もサポートされており、複雑な編集作業にも対応できます。クロスフェード編集ツールやビート検出ツールも充実しており、直感的かつ効率的な編集をサポートします。また、無制限のUndo/Redo機能やセッションのスナップショット保存機能も搭載されています。
マスタリング
Ardourは、マスタリング環境としても利用可能です。JACKと連携させることで、JAMinなどのマスタリングツールを使い、オーディオデータを処理できます。Ardourのミキサー出力をJAMinなどのJACK互換ソフトウェアに送り、その出力を録音することも可能です。さらに、ArdourはTOCファイルやCUEファイルのエクスポートにも対応しており、音楽CDの制作も可能です。
互換性
Ardourはオープンソースソフトウェアであるため、ソースコードの確認や改造が自由に行えます。例えば、macOS版はプロジェクトの参加者ではないユーザーによって移植されました。Ardourは、業界標準に準拠しながら機能の向上と移植性の容易化を図っています。x64/x86/PowerPCアーキテクチャのGNU/Linux、Solaris、macOS上でテストされており、マルチプロセッサやマルチコアSMP、リアルタイム機能などの活用により性能が向上します。バイナリはLinux、macOS、Windows向けに提供されており、ソースコードから自分でビルドすることも可能です。
プラグイン
オーディオエフェクト処理や音量調整などの機能は、プラグインにより拡張できます。Ardourは、LADSPA、LV2、VST、Audio Unitsなどのプラグインアーキテクチャをサポートしています。Windows向けに開発されたVST2プラグインをWine経由でLinux上で使用することも理論的には可能ですが、プロジェクトチームは推奨していません。バージョン6.5からは、すべてのプラットフォームでVST3がサポートされています。ただし、他のモダンなDAWとは異なり、32ビットのVSTプラグインはネイティブではサポートされていません。
インポートとエクスポート
セッション全体や一部をエクスポートできるほか、30種類以上のオーディオファイルフォーマットに対応したオーディオクリップをインポートできます。オーディオファイルのデータベースマネージャーや、直接ファイルブラウザからクリップをセッションに加えることも可能です。
Ardourは、様々な企業から支援を受けています。SAE Instituteは、2009年2月までプロジェクトをサポートし、macOS版の強化を目的とした資金提供を行っていました。ソリッド・ステート・ロジックは、バージョン2の開発期間中、Paul Davisを雇い、Ardourの開発に専念させました。Harrison Audio Consolesは、2005年初めからプロジェクトを支援しており、同社の製品であるXdubberはArdourをベースとしています。Waves Audioも2009年に開発を支援し、Waves Track Liveソフトウェアの開発に協力しました。
JACK Audio Connection Kit
プロジェクト公式サイト
Introducing Ardour - at Linux Journal
Ardour Tutorial - 2.0-2.2 シリーズに対応したチュートリアル
機能と特徴
録音
Ardourの録音能力は、使用するハードウェアの性能に依存しますが、録音可能なトラック数に制限はありません。既存の素材に重ねて録音する際には、レイテンシ補正機能によりタイミングのズレを解消できます。モニタリングに関しては、外部ハードウェアのモニタリング、Ardour内部でのモニタリング、そしてJACKを介したモニタリングの3種類が可能です。特にArdourのモニタリング機能を使うと、録音中の信号にリアルタイムでエフェクトを適用することができます。また、JACKオーディオサーバーを利用することで、サウンドカードだけでなく、ソフトウェアシンセサイザーやオーディオエフェクトホストなど、JACK互換のソフトウェアからの同時録音も可能です。さらに、JACKの新バージョンでは、IPネットワークを介した音声転送も可能になり、オーディオインターフェースとArdourを別々のハードウェアで運用することもできます。
ミキシング
Ardourは、トラックとバスの数に制限がなく、非常に柔軟なルーティングシステムを備えています。ゲイン、パン、プラグインのパラメーターはすべて自動化でき、ミキシング時の自由度を高めます。内部処理は32ビット浮動小数点数で行われるため、高い精度と広いダイナミックレンジが確保されています。
編集
Ardourでは、サンプル単位での精密な編集が可能で、録音範囲のドラッグ、トリミング、タイムストレッチなどが行えます。録音範囲のレイヤー化もサポートされており、複雑な編集作業にも対応できます。クロスフェード編集ツールやビート検出ツールも充実しており、直感的かつ効率的な編集をサポートします。また、無制限のUndo/Redo機能やセッションのスナップショット保存機能も搭載されています。
マスタリング
Ardourは、マスタリング環境としても利用可能です。JACKと連携させることで、JAMinなどのマスタリングツールを使い、オーディオデータを処理できます。Ardourのミキサー出力をJAMinなどのJACK互換ソフトウェアに送り、その出力を録音することも可能です。さらに、ArdourはTOCファイルやCUEファイルのエクスポートにも対応しており、音楽CDの制作も可能です。
互換性
Ardourはオープンソースソフトウェアであるため、ソースコードの確認や改造が自由に行えます。例えば、macOS版はプロジェクトの参加者ではないユーザーによって移植されました。Ardourは、業界標準に準拠しながら機能の向上と移植性の容易化を図っています。x64/x86/PowerPCアーキテクチャのGNU/Linux、Solaris、macOS上でテストされており、マルチプロセッサやマルチコアSMP、リアルタイム機能などの活用により性能が向上します。バイナリはLinux、macOS、Windows向けに提供されており、ソースコードから自分でビルドすることも可能です。
プラグイン
オーディオエフェクト処理や音量調整などの機能は、プラグインにより拡張できます。Ardourは、LADSPA、LV2、VST、Audio Unitsなどのプラグインアーキテクチャをサポートしています。Windows向けに開発されたVST2プラグインをWine経由でLinux上で使用することも理論的には可能ですが、プロジェクトチームは推奨していません。バージョン6.5からは、すべてのプラットフォームでVST3がサポートされています。ただし、他のモダンなDAWとは異なり、32ビットのVSTプラグインはネイティブではサポートされていません。
インポートとエクスポート
セッション全体や一部をエクスポートできるほか、30種類以上のオーディオファイルフォーマットに対応したオーディオクリップをインポートできます。オーディオファイルのデータベースマネージャーや、直接ファイルブラウザからクリップをセッションに加えることも可能です。
サポート企業
Ardourは、様々な企業から支援を受けています。SAE Instituteは、2009年2月までプロジェクトをサポートし、macOS版の強化を目的とした資金提供を行っていました。ソリッド・ステート・ロジックは、バージョン2の開発期間中、Paul Davisを雇い、Ardourの開発に専念させました。Harrison Audio Consolesは、2005年初めからプロジェクトを支援しており、同社の製品であるXdubberはArdourをベースとしています。Waves Audioも2009年に開発を支援し、Waves Track Liveソフトウェアの開発に協力しました。
関連情報
JACK Audio Connection Kit
外部リンク
プロジェクト公式サイト
Introducing Ardour - at Linux Journal
Ardour Tutorial - 2.0-2.2 シリーズに対応したチュートリアル
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