B-50 (航空機)

B-50 スーパーフォートレスについて

B-50 スーパーフォートレス（Boeing B-50 Superfortress）は、アメリカのボーイング社が設計した戦略爆撃機で、B-29スーパーフォートレスの進化版です。愛称もB-29と同じ「スーパーフォートレス」と呼ばれています。

開発背景と特徴

B-50の設計は、B-29Dを基に行われ、主にエンジンや尾翼に改良が加えられました。新たに搭載されたプラット・アンド・ホイットニー R-4360エンジンは大型化され、B-29とは異なる形状を持つエンジンナセルを採用しています。また、垂直尾翼の寸法も増加し、全体的な飛行性能が向上しました。1948年からアメリカ空軍の戦略航空軍団に配備が始まりましたが、核戦争への備えとして温存されていたため、実戦での爆撃任務には参加しませんでした。

ただし、冷戦時代においてB-50はさまざまな派生型に進化し、特に単なる爆撃機にとどまらず、偵察機型や空中給油機型としても活用されました。これにより、KB-50はベトナム戦争においても重要な役割を果たしました。また、著名なX-1の投下母機としても利用されました。B-50の空中給油能力は、後の航空機の運用においても重要な技術を提供しました。

歴史の中の出来事

特に注目すべきは、1949年の「ラッキー・レディ・2」が行った歴史的な無着陸地球一周飛行です。この飛行は、KB-29空中給油機の支援を受け、空中での給油を繰り返すことで達成されました。それは、航空技術の新たな可能性を示す重要な出来事として記憶されています。

ただしB-50も、時代の流れの中で次第にその役割を減らしていきました。1965年に全機が退役することとなります。日本においては、1960年9月に横田基地の気象観測機型WB-50が福島県の山林に墜落するという悲劇もありました。

各型および派生型

B-50は複数の型に派生しており、その中にはいくつかの特異な機体も含まれます。

• - XB-44: B-29AのエンジンをR-4360に換装した試作機。
• - B-50A: 初期生産型で、60機が製造されました。
• - B-50B: A型の改良型で、燃料タンクが改良された45機が製造。
• - B-50D: 主に空中給油装置が改良された222機。
• - DB-50D: 無人標的機の誘導機に改装された1機。
• - EB-50B: 電子戦機として1機改装。
• - KB-50: 空中給油機として134機が改装され、KB-50J、KB-50Kといった派生型も存在する。

練習機・発展型

練習機タイプとしては、TB-50A、TB-50D、TB-50Hなどあります。またYB-50Cは、エンジンや胴体、翼が耐空性を向上させた発展型ですが、最終的には計画がキャンセルされています。

技術要目

B-50Dの主な仕様を以下に示します。

• - 全長: 30.2m
• - 全幅: 43.1m
• - 全高: 10.0m
• - 自重: 36.5t
• - エンジン: 4基のP&W R-4360 ワスプ・メジャー
• - 最大速度: 636 km/h
• - 航続距離: 9,270 km
• - 搭乗員: 8名
• - 武装: M24 20mm機関砲×1、AN/M2 12.7mm機関銃×12
• - 爆弾: 最大9.1t（機内）

まとめ

B-50スーパーフォートレスは、その設計と運用の多様性から、アメリカ空軍において重要な役割を果たしました。旧型機でありながらも、偵察や給油といった任務に長い期間活躍した点は、その歴史を語る上で欠かせません。

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