B28 (核爆弾)

B28（旧称Mark 28）は、アメリカ合衆国が開発した核爆弾であり、1958年から生産が開始されました。この核爆弾は、航空機搭載用の小型熱核弾頭としてロスアラモス国立研究所で開発が進められました。B28爆弾は、その先端部と後尾（パラシュートの有無）の形状の組み合わせによって、以下の5種類に分類されます。

B28EX: 尖った先端部と締まった尾部を持ち、減速用パラシュートはありません。投下方法は自由落下のみで、戦闘爆撃機の機外搭載用です。
B28RE: 尖った先端部と締まった尾部を持ち、減速用パラシュートを備えています。こちらも機外搭載用です。
B28IN: 扁平な先端部と締まった尾部を持ち、減速用パラシュートはありません。投下方法は自由落下のみで、B-52およびF-105の機内搭載用です。
B28RI: 丸みを帯びた先端部と太い尾部を持ち、減速用パラシュートを備えています。主にB-52などの機体向けです。
B28FI: 扁平な先端部と太い尾部を持ち、レイダウン投下用の大型減速パラシュートを備えています。B-52向けです。

これらのタイプにより、直径や長さなどのサイズが異なり、核出力もサブタイプによって70kt、350kt、1.1Mt、1.45Mtと幅がありました。また、フルヒューズオプションが提供され、信管には触発、空中爆発、遅延、レイダウン投下用遅延などの機能が用意されていました。B28はアメリカ空軍およびアメリカ海軍の爆撃機や戦闘爆撃機に広く搭載され、核兵器共有計画に基づき、NATO軍機もアメリカ軍の管理下で運用が可能でした。

さらに、B28はW28核弾頭として、巡航ミサイルや空対地ミサイルにも利用されました。具体的には、メイス巡航ミサイル向けに100発、ハウンド・ドッグ空対地ミサイル向けに900発が生産され、それぞれ1970年、1976年まで運用されました。

しかし、B28は運用中にいくつかの事故も引き起こしています。特にB-52爆撃機に搭載された実弾頭搭載機が墜落し、放射線被害を引き起こした事例が報告されています。

主な事故としては以下のものがあります。

パロマレス米軍機墜落事故 (1966年): スペインのパロマレス上空でB-52爆撃機が墜落し、B28核爆弾が落下しました。幸い、核爆発は発生しませんでしたが、周辺地域に放射性物質が拡散しました。
* チューレ空軍基地米軍機墜落事故 (1968年): グリーンランドのチューレ空軍基地付近でB-52爆撃機が墜落し、B28核爆弾が破損しました。この事故でも核爆発は発生しませんでしたが、放射性物質による汚染が発生しました。

これらの事故は、核兵器の安全管理の重要性を示す事例として、歴史に刻まれています。B28は、冷戦時代における核抑止力の中核を担う兵器の一つでしたが、同時にその運用に伴う危険性も浮き彫りにしました。

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