BBS (自動車部品メーカー)

BBS（ビービーエス）について

BBSは、自動車用アルミホイールのメーカーとして広く知られるドイツのブランドで、1970年に設立されました。創業者であるハインリヒ・バウムガルトナーとクラウス・ブラントは、「黒い森」と呼ばれる地域に位置するシルタッハで会社を立ち上げました。社名の「BBS」は、彼らの名と設立場所に由来しています。

会社の歴史と製品

最初の頃、BBSは繊維強化プラスチック製のエアロパーツを製造・販売していましたが、その製品がヨーロッパツーリングカー選手権（ETC）に使用されることで、1972年にはレース用の3ピースアルミホイールの製造に乗り出しました。

1983年には日本国内にBBSの子会社として日本BBSが設立され、以来、鍛造アルミホイールや鍛造マグネシウムホイールの製造を開始しました。これらのホイールは、日本国内外の多くの自動車メーカーに供給され、特にF1用の鍛造マグネシウムホイールはその信頼性と性能の高さから多くのチームに選ばれています。なお、日本製のモデルもあれば、ドイツ製のモデルも存在し、使用される車両にはさまざまな選択肢があります。

BBSのアルミホイールのデザインは、特有のメッシュタイプと言われるX字型やY字型のスポークで構成されています。このユニークなスタイルは、BBSのアイデンティティとなっており、他社製品においても「BBSタイプ」と称される模倣品が数多く存在します。OEM製品としても、メッシュタイプ以外のホイールを製造しており、これもまた他社のデザインを反映したものが多いため、一見BBS製品とはわかりにくいものも少なくありません。

高品質なホイールとその利用

BBSのアルミホイールは、特に高品質として評価されており、高級車や上級車の純正装備品としても利用されています。メルセデス・ベンツやポルシェといった著名なドイツ車に加え、日本車でも随所に見られます。また、F1においても、かつては多くのチームがBBSの鍛造マグネシウムホイールを採用していましたが、2020年には破産手続きを申請する事態に陥りました。コロナの影響で工場が操業停止に追い込まれ、さらには自動車産業全体の影響が重なった結果とされています。

その後、BBSはKWオートモーティブグループ傘下で再建を試みており、日本国内でも新たに「BBS Unlimited」などの取り扱いが始まっています。特に注意が必要なのは、1995年に発生した並行輸入に関する訴訟です。この訴訟は、日本国内で流通している並行輸入品がBBSの特許を侵害しているとされ、最終的には最高裁まで争われましたが、並行輸入品は正規品であるとのことでBBSの訴えが棄却されました。

BBSの製品はその高い品質と独自のデザインにより、多くのレースカーや市販車に採用され続けており、今後も自動車業界で重要な役割を果たしていくことでしょう。

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