BDOインターナショナル

BDOインターナショナル：グローバル会計事務所ネットワーク

BDOインターナショナル（BDO International Limited）は、ベルギー・ザベンテムに本部を置く、世界第5位規模の会計事務所ネットワークです。イギリス、ドイツ、オランダ、アメリカ、カナダの5ヶ国が母体となり、1963年に設立された「ビンダー・シードマン・インターナショナル・グループ」を起源とし、1973年にはBDO Binder B.V.へと改組されました。BDOという名称は、創設メンバーであるBinder Hamlyn（イギリス）、Dijker（オランダ）、Otte（ドイツ）の頭文字に由来しています。

2015年時点で、世界154地域、1,400以上の事務所に64,000名以上の従業員が所属するまでに成長を遂げました。特に中国（香港を含む）での事業拡大は著しく、2012年時点では約8,000人の従業員を擁し、アメリカ合衆国（約11,500人）に次ぐ規模を誇っていました。2014年の収益の内訳は、アメリカ（35ヶ国）方面が44％、EMEA（欧州・中東・アフリカ、92ヶ国）方面が41％、アジア太平洋（24ヶ国）方面が15％を占めています。

主要業務

BDOインターナショナルは、大きく以下の3つの事業分野で構成されています（2014年の収益割合）。

監査・会計業務（Audit ＆ accounting）: 57％
税務業務（Tax services）: 21％
* アドバイザリー業務（Advisory services）: 22％

これらのサービスをグローバルに展開し、多様なクライアントのニーズに対応しています。

日本における活動

日本においては、準大手の三優監査法人がBDOインターナショナルのメンバーファームとして加盟し、監査業務を提供しています。

歴史的には、BDOは当初、新和監査法人（現在の有限責任あずさ監査法人の母体の一つ）と提携していました。新和監査法人は、グラントソントン・インターナショナルとも提携していたため、二重提携の状態にありました。当時は日本企業の海外進出が少なく、逆に外資系企業の日本進出が多かったため、複数の海外提携先を持つことは問題とはなりませんでした。さらに、新和監査法人が監査法人朝日会計社と合併して監査法人朝日新和会計社となった後には、アーサー・ヤング（後のアーンスト・アンド・ヤング）を加え、三重提携の状態にありました。しかし、朝日新和が1993年に提携先をアーサー・アンダーセンに変更したことにより、重複提携を認めないアンダーセンの方針から、BDOとグラントソントンとの提携は解消されました。

1996年1月に三優監査法人が加盟して以降、長らく三優監査法人が日本における唯一の提携先でした。2011年1月には準大手の東陽監査法人が加盟し、BDO Japan株式会社が設立されました。この合弁会社は、両法人から選任された役員により、BDOインターナショナルの日本における統括管理業務を行っていました。東陽監査法人の規模は三優監査法人より大きかったため、両法人の連携により、BDO全体の日本における規模は、業務収入においてグラントソントンに次ぐ国内6位、上場クライアント数では国内5位に位置づけられていました。しかし、2018年6月30日に東陽監査法人はBDOとの提携を解消し、クロウ・グローバルと再提携しました。これにより、日本におけるBDOの提携先は再び三優監査法人単独となりました。

税務業務はBDO税理士法人（旧三優税理士法人）、アドバイザリー業務はBDOアドバイザリー株式会社が担っています。その他、BDO人事総合研究所などがグループ会社として存在し、幅広いサービスを提供しています。

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