BIAD

BIAD（Blind Insertion Airway Device）について

BIAD、すなわち盲目的挿入気道デバイスは、気管チューブに代わって使用される医療機器であり、患者の気道確保に寄与する重要なツールです。このデバイスは、患者の肺と外界との間に気道を確保し、誤嚥のリスクを軽減しつつ、喉頭を展開せずに設置できるという特徴を持っています。特に、病院前救護や救急医療の場面で頻繁に利用されることが多いです。

歴史と用語の発展

BIADという用語は、2014年にTimothy Jamesらによる研究において、犬を対象とした気道確保器具の報告で初めて使用されました。その後、2016年にはDavid A Pearsonらが発表した院外心停止に関する研究においても言及されましたが、その際には「盲目的に挿入するエアウェイ」としての略語としてのみ捉えられ、具体的な定義は行われていませんでした。

2018年にはJ A Marchらが気道確保に関連する器具として、口咽頭エアウェイや気管チューブを挙げる中でBIADを言及しました。この間に、BIADはアメリカの救護において、気管チューブ以外の気道確保器具として認識され始め、データ収集や報告の際に用いられるようになりました。

BIADの適応と特性

BIADは特定の状況下では盲目的な挿入が可能であり、気管チューブの代わりとしても利用されます。また、ブジーやチューブエクスチェンジャーを用いることで、さらに合理的な挿入が可能です。しかし、BIADには気管チューブと比較していくつかの欠点が存在し、特に誤嚥のリスクが高まることが懸念されています。

BIADの種類

いくつかの異なるタイプのBIADが存在しており、使用される場面によって選択されます。以下に代表的なBIADを挙げます：
1. コンビチューブ - 2つの管を持つデバイスで、使用が簡便です。
2. EasyTube - 挿入が容易で、迅速な気道確保を実現します。
3. ラリンジアルチューブ - 声門に直接かかわることで、高い確実性があります。
4. ラリンジアルマスク - 簡単に装着することができ、応急処置に適しています。
5. 経鼻エアウェイ - 鼻から挿入されるデバイスで、特に意識がある患者に用いられます。
6. 口咽頭エアウェイ - 口から挿入されることで、舌による気道塞ぎを防ぎます。

これらの器具は状況や患者の状態によって使い分けられ、医療従事者が適切な方法を選択することが重要です。

まとめ

BIADは、特に救急医療において、気道確保のための欠かせないデバイスです。安全で効果的に患者の気道を確保するための選択肢の一つとして、医療現場で広く活用されています。これにより、多くの患者の生命を守るために重要な役割を果たしています。

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