BK117 (航空機)

BK117 - 日本とドイツが共同開発した優れた中型ヘリコプター

BK117は、川崎重工業とドイツのMBB社（現在のエアバス・ヘリコプターズ）によって共同開発された民間用途向けの中型双発ヘリコプターです。この機種は、優れた性能と多用途性から、消防や救急といったさまざまな分野で広く利用されています。

開発の背景

BK117の開発は1970年代にさかのぼります。川崎重工業は、国産ヘリコプターKH-7の計画を進めていましたが、石油危機の影響で計画が中断されました。一方、MBB社は7〜10席クラスのBo 107の開発を進めており、両社の意向が一致しました。1977年、共同開発が合意され、BK117の名称が付けられました。

開発と製造

開発の際、両社は経費や製作、販売について対等な立場で進めることにしました。川崎重工は胴体やトランスミッションを担当し、MBBはローターシステムなどを担当する体制が取られました。エンジンにはライカミングのLTS-101-650B-1が2基搭載され、1980年には型式証明を取得しました。初飛行は1979年に行われ、日本でも同年夏に実施されました。

主要な生産工場は、ドイツのドナウヴェルト、日本の各務原市、米国のコロンバスに設置され、約800機が生産されました。2021年には180機以上が日本に供給され、現在も様々な機関に利用されています。特に消防防災航空隊や警察航空隊での採用が目立ち、アジアやオセアニア諸国への輸出も進められています。

機体の特徴

BK117のデザインは、MBB社のBo 108に類似していますが、こちらは一回り大きく製造されています。多様な用途に応じたキャビンデザインや構造を持ち、頑丈さと安全性が確保されています。特に操縦応答性に優れた無関節型ローターハブシステムを採用し、優れた操縦性能を発揮します。計器飛行方式にも対応可能であり、非常時の運用にも耐えうる設計がされています。

派生モデル

BK117シリーズには様々な派生型があります。

• - BK117 A-1：初の型式。エンジンはライカミング LTS101-650B-1を搭載。1982年12月に型式証明を取得。
• - BK117 C-2：キャビンスペースを拡大したモデルで、2000年に初飛行しました。
• - BK117 D-3 / H145：最新型で、2021年に日本で型式証明を取得し、さらなる性能向上が図られています。

運用実績と登場作品

BK117は多くの国で運用され、特にマダガスカル空軍などが保有しています。国内では、エースヘリコプターがこの機種を用いて様々な特撮作品でも登場しています。その一例として、映画『ゴジラvsメカゴジラ』やテレビドラマ『仮面ライダークウガ』に見ることができます。

結論

BK117は、優れた性能と多用途性を兼ね備えたヘリコプターであり、その技術や信頼性が多くのユーザーに評価されています。今後も新たな技術的進化が期待され、運用され続けることでしょう。

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