BL 5.5インチ砲

BL 5.5インチ中砲：第二次世界大戦を支えたイギリスの傑作カノン砲

BL 5.5インチ中砲は、第二次世界大戦中にイギリス陸軍が制式採用したカノン砲であり、その開発は第一次世界大戦で使用されていたBL 60ポンド砲とBL 6インチ 26cwt榴弾砲の後継として、1939年1月に始まりました。1942年には初期量産型が完成し、北アフリカ戦線に投入されました。

開発と改良

初期の5.5インチ砲は、弾頭重量100ポンド(約45.4kg)の榴弾を使用していましたが、威力は十分であったものの、最大射程が14,800mと短く、戦場での評価は高くありませんでした。しかし、1944年に80ポンド(約37kg)の新型砲弾が採用されると、最大射程は16,600mまで延伸され、その有用性が大きく向上しました。

同時期に運用されていたBL 4.5インチ砲は、射程こそ5.5インチ砲を上回っていましたが、砲弾重量の点で破壊力に劣るため、第二次世界大戦終結後には訓練用として使用された後、退役しました。一方、5.5インチ砲はその有用性から、朝鮮戦争や第二次中東戦争などでも使用され、1978年以降にL121（FH-70）に更新されるまで、イギリス軍の主力火砲として活躍しました。

各国での採用

5. 5インチ砲はイギリス軍だけでなく、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといったイギリス連邦加盟国でも採用されました。また、南アフリカ国防軍でもG2として採用され、アンゴラ侵攻作戦で使用された後、南アフリカ国産のG5 155mm榴弾砲に更新されるまで運用されました。

主な戦歴

第二次世界大戦：北アフリカ戦線、ヨーロッパ戦線などで使用
朝鮮戦争：国連軍の一員として参戦したイギリス軍が使用
第二次中東戦争：イギリス軍が使用
南アフリカ国境紛争：南アフリカ国防軍が使用

登場作品

R.U.S.E.：イギリスの榴弾砲として登場
突撃の戦車:Rush：イギリスのカノン砲として登場

関連項目

* カノン砲

このように、BL 5.5インチ中砲は、第二次世界大戦から冷戦時代にかけて、イギリス軍とその同盟国にとって重要な役割を果たした火砲でした。その開発、改良、そして戦場での活躍は、火砲の進化の歴史においても特筆すべき事例と言えるでしょう。

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