BMD-2

BMD-2：空挺戦闘車の進化

BMD-2は、ソビエト連邦で開発された空挺戦闘車（IFV）です。BMDはロシア語で「空挺戦闘車」（Боевая машина десанта）を意味し、その名の通り、航空機からの空中投下を可能とする設計が最大の特徴です。「ブートカ（Будка；見張小屋）」という愛称でも呼ばれることがあります。

1985年にソ連軍に採用され、ヴォルゴグラード・トラクター工場で量産が開始されました。空挺部隊に機動性と火力を提供し、迅速な展開能力を支える重要な役割を担いました。

性能と特徴

BMD-2の主要な武装は、30mm機関砲2A42です。有効射程は2,500～4,000m、発射速度は毎分500発と高く、歩兵支援において高い制圧能力を発揮します。特に、アフガニスタンでの山岳戦の経験から、砲の仰角が+75度まで取れるように設計されており、高所からの攻撃にも対応できます。

対戦車戦闘能力も有しており、対戦車ミサイル9M113「コンクールス」（Конкурс）または9M111「ファゴート」（Фагот）を搭載可能です。

外部監視装置は、昼夜間兼用のBPK-1-42に換装され、夜間や悪天候下でも高い索敵能力を維持しています。

BMD-1と同様に、輸送機やヘリコプターによる輸送、そしてP-7やP-16型落下傘を用いた空中投下が可能です。最新型のPRSM-925落下傘ロケット・システムを使用すれば、高度500m～1,500mからIl-76輸送機からの投下も可能となっています。

弾薬搭載数は、対戦車ミサイルが3発、30mm機関砲弾が300発、機関銃弾が2,940発です。

派生型

BMD-2K: 指揮車型。無線機2台と電力供給用のエンジン発動機を搭載し、部隊の指揮・統制能力を向上させています。
BMD-2M: 改良型。2019年からロシア空挺軍で評価試験が開始されました。具体的な改良点は明らかにされていませんが、火力の強化や防御力の向上が期待されています。

採用国

ロシア
インド
ウクライナ
ウズベキスタン：2023年時点で、ウズベキスタン陸軍が9両のBMD-2を保有しています。

登場作品

ゲーム
『エースコンバット5』：ユークトバニア陸軍が運用する兵器として登場します。

関連項目

BMD-1
BMD-3
BMD-4
歩兵戦闘車

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