2A42

2A42 30mm機関砲

2A42は、ソビエト連邦のトゥーラ機械製造設計局（現在のKBP社）によって1970年代から開発が始まった30mm口径の機関砲です。1980年代にBMP-2歩兵戦闘車に搭載されたのを皮切りに、BMD-2空挺戦闘車、BTR-90装輪装甲車、Mi-28 ハボック攻撃ヘリコプターなど、多種多様なプラットフォームに採用され、現在ではロシア連邦軍の主力機関砲として広く運用されています。発展型の2A72とともに、ロシア軍の機甲戦力や航空戦力において重要な役割を担っています。

概要

2A42は、その運用において高い柔軟性を誇ります。特に注目すべきは、デュアルフィードシステムを採用している点です。これにより、砲手は徹甲弾や榴弾など、複数の種類の砲弾を状況に応じて瞬時に切り替えることができます。さらに、射撃速度も2段階に調整可能で、低速モード（毎分200-300発）と高速モード（毎分550-800発）を必要に応じて選択できるため、近接戦闘から遠距離射撃まで、多様な戦況に対応できます。

作動方式はガス圧利用式を採用しており、信頼性と耐久性に重点を置いた設計となっています。排莢機構は、本体左側の排莢口から前方へ排出する方式を採用しており、狭い砲塔内でもスペースを圧迫しない効率的な設計です。この排莢機構により、砲塔内部のレイアウトの自由度が高まり、兵器の小型化にも貢献しています。

性能面では、軽装甲車両に対しては1,500m、ヘリコプターなどの対空目標には2,000m、無装甲の地上目標には4,000mまで有効射程を有しており、広範囲の目標に対応できる能力を備えています。元々は有人砲塔への搭載を前提に開発されましたが、シンプルな構造のため、無人砲塔との組み合わせにも適しています。

弾薬

2A42で使用される弾薬は、30x165mm規格です。これは、2K22M ツングースカや96K6 パーンツィリ-S1に搭載されている2A38機関砲の使用弾薬と同サイズですが、雷管の種類が異なります。2A72や2A42で使用されているのは通常撃発式ですが、2A38は電気撃発式を使用しているため、互換性はありません。弾薬の種類としては、徹甲弾、榴弾、破片榴弾などがあり、目標の種類や状況に応じて使い分けられます。

搭載兵器

BMP-2歩兵戦闘車
BMD-2空挺戦闘車
BTR-90装輪装甲車
Mi-28 ハボック攻撃ヘリコプター
その他各種装甲車両

関連項目

機関砲
2A28 グロム低圧砲: ロシア製の73mm低圧砲。BMP-1やBMD-1の主砲として運用されています。
GSh-30K: ロシア製のガスト式30mm機関砲。Mi-24P ハインドE系列の機体に搭載されています。
* YakB-12.7: ロシア製のガトリング式12.7mm重機関銃。Mi-24D/V系列の機体に搭載されています。

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