BMP-3

BMP-3 歩兵戦闘車

BMP-3（ロシア語: БМП-3）は、ソビエト連邦とロシア連邦の軍用車両メーカーであるクルガン機械工場が開発した歩兵戦闘車です。1987年に正式に採用され、以降も多くの国で運用されています。BMP-3の最大の特徴は、その優れた火力を誇る火器システムです。主砲には100mm低圧砲が搭載されており、これに加えて30mm機関砲と7.62mm機関銃が同軸で装備されることで、幅広い攻撃力を発揮します。さらには、主砲から対[[戦車ミサイル]]も発射可能で、強力な戦闘能力を有しています。

開発の背景

BMP-1の実戦運用は、アフガニスタン侵攻といった過酷な環境で行われましたが、当車両はその武装や居住性に問題が多いました。ソ連陸軍は、より効果的な歩兵戦闘車を必要とし、1981年にBMP-2の改良を試み、さらなる発展としてBMP-3が開発されました。この新型の設計は、従来のモデルに比べて防御力と攻撃力が大幅に向上しました。

車体と武装

BMP-3は、大型で快適な居住空間を提供するため、新たに設計された車体を持ちます。車両の重量は18トンを超えましたが、500馬力のディーゼルエンジンUTD-29を搭載し、最高速度は70km/hを達成。荒れた地形でも機動力を維持しています。兵士の輸送能力も向上し、通常7名の兵員を搭載可能ですが、必要に応じて9名まで搭乗できます。

武装においては、主砲の100mm低圧砲2A70が主力であり、自動装填装置を搭載し、毎分8～10発の発射が可能です。これにより、射程4,000mの榴弾を高精度で発射できます。また、対[[戦車ミサイル]]の9M117も搭載可能で、これにより遠距離からの敵車両への攻撃も行えます。

副武装としては、30mm機関砲2A72が搭載され、さらに7.62mm機関銃PKTが同軸に装備されており、威嚇射撃などの多様な用途に応じた攻撃が可能です。このように、BMP-3は多様な武器システムを持つため、戦闘において柔軟に対応できる特性を有します。

防御力と水上浮上能力

BMP-3は、その防御力にも特徴があります。戦闘経験から、重要な構造部分に二重装甲を施すことで、敵の攻撃からの防御力を高めています。特に車体の前方と砲塔部分の防御力は優れており、ソ連製の30mm機関砲からの攻撃にも耐えることができます。また、この車両は水陸両用設計であり、背面にウォータージェットを搭載しているため、水上浮上航行が可能です。

運用と派生型

BMP-3は1987年に採用され、その後も生産が続けられています。ソヴィエト連邦崩壊後も運用され、輸出市場でも多くの国に供給されています。アラブ首長国連邦やクウェート、韓国などがその例で、特にUAEでは改良型BMP-3Mを導入しています。日本ではBMP-3を素材にした派生型も多く開発され、用途ごとに特化したバリエーションが存在します。

最近の運用事例としては、ロシアのウクライナ侵攻において多数のBMP-3が実戦投入されています。この車両の高い機動力と火力は、現代の戦闘においても十分に価値を発揮しています。様々な改良を施した派生型も開発され、BMP-3シリーズは軍用車両の中で重要な位置を占めています。

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