BMW・X1

BMW X1：コンパクトSUVの進化の歴史

BMW X1は、ドイツの自動車メーカーBMWが製造・販売するコンパクトSUVです。BMWのSAV（スポーツ・アクティビティ・ビークル）シリーズ「Xモデル」に属し、X5、X3、X6に続く4番目のモデルとして誕生しました。車名にある「1」は、Xモデルの中で最小クラス（Cセグメント）に位置することを示しています。

初代（E84型、2009年-2015年）

初代X1は、2009年9月にフランクフルトモーターショーで発表され、翌月に欧州で販売開始。日本市場には2010年4月に導入されました。3シリーズツーリングをベースとしたプラットフォームを採用し、日本の駐車場事情を考慮したコンパクトなボディサイズを実現。全長、全幅、全高は、多くの立体駐車場に収まるサイズに設計されています。

インテリアはドライバーを重視した設計で、操作系は全てドライバーから容易に手が届く位置に配置。視界の良さも確保されています。後部座席は可倒式で、最大1350ℓのラゲージスペースを確保できます。多様な収納スペースやカップホルダーなど、実用性も高く評価されています。

パワートレインは、3.0L直列6気筒ガソリンエンジンや、2.0L直列4気筒ガソリン・ディーゼルエンジンを用意。トランスミッションは6速MTと6速ATが設定され、駆動方式は後輪駆動（sDrive）と四輪駆動（xDrive）が選べました。2012年にはマイナーチェンジを行い、デザインや装備がアップデートされました。

2代目（F48型、2015年-2023年）

2015年にはフルモデルチェンジを行い、2代目（F48型）が登場。MINIや2シリーズアクティブツアラー/グランツアラーと共通のFFベースプラットフォームを採用し、軽量化と効率性の向上を実現しました。ボディサイズは初代に比べ、全長を短く、全高を高くし、より広い室内空間と視界を確保しました。後部座席にはスライド機能も備え付けられ、使い勝手の向上が図られています。

エクステリアは、BMW Xモデルの特徴的なデザインを踏襲。空力特性の向上により、Cd値0.29を達成しています。インテリアは、ドライバー寄りのセンターコンソールや高解像度ディスプレイ、タッチパッド付きiDriveコントローラーなど、先進的な装備が充実しています。パワートレインは、1.5L直列3気筒ガソリンエンジン、2.0L直列4気筒ガソリン・ディーゼルエンジンを設定。トランスミッションは6速MT、6速AT、8速ATが用意されました。

また、安全運転支援システムも強化され、衝突回避・被害軽減ブレーキやレーンディパーチャーウォーニングなどがオプションで設定されました。2016年には中国市場向けにロングホイールベースモデルも登場しています。2019年にはマイナーチェンジを実施し、内外装のデザインや装備が更新されています。

3代目（U11型、2023年-）

2022年、3代目（U11型）が発表されました。今回のフルモデルチェンジでは、従来のエンジンモデルに加え、初のBEV（電気自動車）であるiX1がラインナップに加わりました。

エクステリアは、大型のキドニーグリルや、水平方向のキャラクターラインが特徴的です。インテリアは、メーターパネルとコントロールディスプレイを一体化したBMWカーブドディスプレイを採用。従来のシフトレバーやiDriveコントローラーは廃止され、新たなデザインとなりました。

パワートレインは、ガソリン、ディーゼルエンジンに加え、iX1では最高出力204PSの1モーターモデルと、最高出力313PSの2モーターモデルが用意されます。iX1は66.5kWhのバッテリーを搭載し、急速充電にも対応します。

先進運転支援システムも大幅に強化され、ハンズオフ機能付き渋滞運転支援機能やレーンチェンジウォーニングなどが追加されました。デザインラインはxLineとM Sportの2種類が用意され、M SportにはアダプティブMサスペンションが装備されています。日本市場では2023年2月にX1とiX1が発売され、同年にはディーゼルモデルや高性能モデルM35i xDriveも追加されました。2024年にはエントリーモデルとして、X1のsDrive18iとiX1のeDrive20も追加されています。

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